昨年、森と川がある町で暮らす友人の元を尋ねました。
やり直し修学旅行に一緒に行った友人です。
不便なところもたくさんあるであろう、町の暮らしを思いきり楽しむ友人からオススメの映画として勧められていたのがこちら、「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」です。
友人と一緒にいると、地に足をつけて生きて行きたいなあ、と改めて自分の土台を確認するのですが、地に足をつけることを忘れてしまったら、まあこの映画も結構いいよ、というメッセージを友人からもらったような気がします。
ターシャ・テューダーは、アメリカの絵本画家・園芸家(ガーデナー)で人形作家だった方です。50歳代半ばから、バーモント州の小さな町のはずれで時給自足の一人暮らしを始めました。その暮らしぶりは、1800年代の農村の生活。また、彼女の住む家(コーギーハウスと読んでいました)には、広大な庭があり、様々な季節の花々を育て続けるライフ・スタイルは、日本でも注目を集めていました。
絵本作家としてより、もしかしたらガーデナーとしての方が有名な方かもしれません。
田舎で育った身としては、年を重ねて田舎に暮らすのは本当に大変だと思うので、50代半ばから田舎暮らしを始められてそれを完遂しただけでなく、さらにその家がみんなが来たくなるような、家族も手入れを手伝いたくなるような、素敵な家を作り上げたという暮らしは本当に尊敬しかありません。(今ではお孫さんがお庭を整備しているようです)
映画はノンフィクションのホームドキュメンタリーのような内容なのですが、オールドなアメリカンスタイルの暮らしが描かれています。私は赤毛のアンが大好きな母親に育てられたせいでしょうか。カントリーな家の雰囲気がなんとなく実家にも似ていて、(赤毛のアンが好きで、実家は壁が白く、屋根は緑の一軒家。内装もカントリー風で、母親が作ったタペストリーが家のあちこちに飾られていました)見ながらなんだかホッとしてしまいました。
ターシャの生き様を見ていると、
・地に足を付けて生きる
・慌てないで生きて行く
そんな言葉が脳裡をよぎります。
慌てないで生きて行くことの大切さを実感したのは20代半ばくらい。
がむしゃらに働くのも楽しいけれど、それで病気になってしまうよりは、おいしいものを美味しいと言いながら食べて、たまに好きな場所に出かけて、毎日ちゃんと空を眺めて、ああ今日はきれいだな、とかああ、今日は曇りだなとか、そんなことを想える日々の方に惹かれてしまった(というか元々がそういう暮らしぶりだったから引き戻されたというか)んですよね。
仕事は好きだし、投資をいろいろやりくりするのも好き。
でもやっぱりそれがなんのためなのか、っていう根本のところは、好きな人と幸せに生きて行く、というありきたりだけど、あたりまえに大事なところなんですよね、私にとっては。
というわけで、そんな自分自身の、
・地に足を付けて生きる
・慌てない人生を生きて行く
ということの形の一つの未来としてこの映画を見ていました。
将来田舎に住んで、こんなお庭を作るのか、それともずっと都会に住んで近所の商店街のわちゃわちゃした感じと色んな人のるつぼの中で、人との出会いを楽しみながら生きて行くのかは分かりませんが、どちらにせよ、まず自分が楽しい、を大事にして生きて行きたい、そんなことを思い出した映画でした。
というわけで久しぶりに映画の記録でした。
おやすみなさい。