初めて宅配ピザを食べたのは21歳の時でした。
どうしてそんなことを覚えているのかというと、21歳になるまで私はずっと宅配ピザという存在に憧れていて、「いつか食べたい」を脳内で100万回、は言い過ぎかもしれないけど、1000回以上は繰り返した末に叶った夢の1つだったからです。
私が住んでいた場所は、宅配ピザなんて届かないくらい田舎でした。
小学生の頃、なんかの授業で宅配ピザの話になったとき、クラスの誰も反応できなくて、遠方から車で通勤する担任の先生に、
「そうか……この地域にはピザが届かないのか……」
といわれたことを未だに覚えています。
けれどもCMはど田舎でも流れます。
ピザ生地に降り注ぐシーフード。とろけて伸びるチーズ。そしてオーブンでじゅわじゅわ焼かれて膨らんで、サクっモチっという擬音を発するCMを見るたびに、「ああ、これは都会の味なんだ」と希望を膨らませていました。
ピザ以外にも私にとっての都会の味はたくさんありました。
・マクドナルド
・ケンタッキー
・ミスド
・出前のラーメン
これは都会に住んでいるおばあちゃんの家に行ったときの、特別メニューでした。
マックは安いから。
ケンタッキーとミスドはおばちゃん(母の妹)の仕事帰りの道沿いにあるから。
出前のラーメンはおばあちゃんが好きだから。
という理由で、本当に、たまーに登場するメニューでした。
高校に進学してマクドナルドとミスドが身近になり、
大学に進学してラーメン屋さんが身近になりました。
けれども、ケンタッキーとピザだけは、ずっと縁がありませんでした。
特にピザは地味に高かったから。
社会人になってからかなーとぼんやり思っていました。
ところが21歳のある日。
友達と宅飲みをしている時に、仲の良かった、卒業した先輩が合流することに。
先輩がやってきて放った一言がこれ
「おごってやるからピザでも頼もうよ」
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉお!
たっ宅配ピザ!
実は飲んでいたメンバーの中に私以外にももう一人、宅配ピザに並々ならぬ高揚感を覚えている子がいました。Rちゃんです。
Rちゃんは、私ピザを頼んだことがない!とカミングアウト。
ええ!!と驚く周囲をさらに驚かせるように、私もカミングアウト(笑)
あんたらで頼みなさい(笑)と先輩に任命され、みんなが食べたいピザを電話で注文しました。
あの後すぐくらいからネット注文が主流になったので、電話で注文する、という貴重な経験も楽しかった。
ただ、注文することに興奮し過ぎたせいか、なぜか食べたときのことは殆ど覚えていないんですよね。お酒で記憶がとんでるんでしょうか?(笑)
都会に出てから、クリスマスにケンタッキーをベタにやるようになったけれど、実はまだピザは頼んだことがありません。
今や家から徒歩30秒のところにお店があるので、宅配でなくて直接取りに行ける環境。
今年のクリスマスはピザも頼んでみようかなあ。
今度はちゃんと、味わいたい(笑)