一番最初は高校生で出会った源氏物語。キラキラした少女マンガ的世界観。
光源氏というイケメンと、妄想が膨らむ雅な風景。
最近よく、異世界にとばされた現代人や乙女ゲームの中に飛ばされた現代人が活躍するマンガや小説をみるけれど、私にとって京都こそ異世界。とんでみたい世界となったのです。
最初に住む為に挑戦したのは大学受験。住んでみたい、という気持ちから
とある京都の私大を検討。動機が学問第一ではないあたりかなり不純だったかも。
住む場所はシェアとかおんぼろなところでも大丈夫。
バイトもすればなんとか行けそう。
しかし親が病に倒れ、贅沢は言えない状況に。
もう国立くらいしか狙えない。しかもできるなら家賃相場が低いところか安い寮がついているところじゃないと。京都の国立…いや、京大は今からはちょっと無理。
ひとまず諦めることにしたけれど、とりあえず見学だけ行かせて欲しい、と一人オープンキャンパスへ。
到着した日はうきうきで、荷物をホテルにおいてから修学旅行で行けなかった、自分がいきたかった場所、銀閣寺と哲学の道を訪問。
次の日は暑い中、いよいよオープンキャンパスへ。
実際私立大学を歩いてみて、殆どの人が両親同伴。
一人で来たことに驚かれる@受付
え?大学見学って、本人だけで行くもんじゃなかったのかな、と不安になりながら周囲を見渡す。
私大ということもあってか、全員がミドルクラスのおぼっちゃま、お嬢様っぽい人ばかりにみえる。
やばい、大学に親と一緒に来る人種と私は友達になれる自信がない。
自信を失いかけつつ、駅に向かい観光案内所でバス停の場所を尋ねるとここでさらなるアッパーが。
指だけさされてさっさといけや、的な空気を出されてしまったのだ。
その指の向く方向よく分からなかったし、とりあえずまだ世に疎い高校生でも理解できたのは、京都の人冷たい伝説はホントだった……ということ。
最後に空港に向かうバスの中は混み合い、隣席にはスーツを着た男性がいた。
高校の数学の先生が、ある日新幹線で偶然隣だった高校生に話しかけられ、お互い色々な話で盛り上がったのをきき、いつか実践してみたかったことを思い出した。
女子高生だったらとりあえず誰に話しかけても怪しまれないだろ、という謎の自信をもって隣のサラリーマンに声をかけた。
サラリーマンは優しかった。出身は九州の方で京都ではなかった。
オープンキャンパスで京都に来たことを話すと、偶然にも京大を卒業された方だった。
京大卒のサラリーマンの話は面白くて、ああー京大なら行ってみたいなあ、と思った。
京都への憧れはいつの間にか東京にすり替わり、就職を東京都に決定。
自分で稼いで自立するので、誰にも文句は言わせん!という気持ち。
そして今の夫と結婚もして、東京ライフも楽しんでいる、けれども。
京都を旅行なんかで訪れるたびに思うのは、やっぱりいつか住んでみたいということ。
観光案内所のおじさんにめちゃくちゃ冷たい対応されてショックを受けたこともあったし、住むのは大変よ〜という声もよく聞く。
けれども、それでも。
あの街で、観光ではなく、長期滞在ではなく、ちゃんと生活を組み立ててみたい。
京都の四季を、京都の食材から感じてみたい。
3年とか4年とか、期間限定でもいいから。
と、高校生以来未だにこんな想いをもち続けているので、いつかは絶対実行したいと思う。
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