東京イラン映画祭に行ってきました(その2)
最後の晩餐
こんなに近く、こんなに遠い
ロスト・ストレイト
東京イラン映画祭に行ってきました
ボディー・ガード
ペインティング・プール
映画「天気の子」を観てきました
この夏観たい映画リスト
(1)良質な音の環境で観たいから映画館でみたい「アラジン」
(2)やっぱり世代として気になる「トイストーリー4」
(3)監督が切り取る風景が好き。それを大画面でみたいから「天気の子」
(4)普段から日本の出産強要に色々思うことがあるから「存在のない子供たち」
映画『人生フルーツ』を観て。これはスローライフ万歳映画ではない。合理主義に対する強烈なメッセージだった。
『万引き家族』、『日日是好日』と樹木希林さんが携わる作品にハマっている最近です。
この流れで樹木希林さんがナレーションをされている『人生フルーツ』という映画を観てきました。
風が吹けば、枯れ葉が落ちる。
枯れ葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。人生、フルーツ。
ー映画『人生フルーツ』より
『人生フルーツ』は元日本住宅公団のエース、修一さんとその奥さんである英子さんの名古屋近郊の高蔵寺ニュータウンの片隅での暮らしを追って行く、ドキュメンタリー映画です。
予告編やフライヤーを見る限り、
・暮らし丁寧系
・スローライフ万歳
という系統の映画かなあ、と想像していました。実際レビューもそんな感じだったので。
そして実際そういう場面が殆どでした。
建築家の修一さんがデザインした平屋の戸建てはオシャレだし、70種の野菜と50種の果実で彩られる生活はとてもカラフルだし。それらから作る手作りのおやつやごはんを観ていると、こんな一軒家カフェがあったら遊びに行きたいなあ、と思います。
ぼんやり観ていると、ただただ幸せな気持ちになるし、これまで観て来たスローライフ系映画の中でも群を抜いてスローライフが素晴らしく見える映画でした。
けれども、そうじゃない。と感じたのは、修一さんがこの家を作ったきっかけのお話から。
1960年代、元々の山の形が分かるような、風の通り道を残したニュータウンを計画した修一さん。
けれども経済優先の時代でそれは叶わず、完成したのは今私達がよくみる、四角い箱がたくさん立ち並ぶ団地。
「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」
ーモダニズムの巨匠ル・コルビュジエ
修一さんは団地は暮らしの宝石箱になったのか、疑念を抱いていたのでしょう。
実際、東京のアパートの一室、団地の一室はラット小屋と揶揄されることがあります。
経済優先で合理性だけを追求した先に生まれた物は、私達を幸せにしてくれるのか、その答え合わせを私達はちょうど今、している気がします。
本当に団地やアパートの一室での暮らしが多くの人にとって幸せであったなら、「夢の一戸建て」という言葉は生まれたでしょうか。
年を取ってからの「田舎暮らし」という言葉はこれほど流行ったでしょうか。
これがアジアだと言われてしまえばそうかもしれません。とにかく、合理性を追求した場所がこの広い地球のどこかにちょっとくらいあってもいいかもしれません。
けれども、町を尋ねた時、同じような団地しか立ち並んでいない町はなんとなくつまらないと感じてしまいます。
その町の香りを感じに尋ねてみたのに、あるのは同じような四角い箱ばかり、それがその場所だけならまだしも、日本全国にちらばって存在していると思うと、面白いとは思っても自分が住みたいとは思えません。
同じ理由で、画一的なホテルもちょっと苦手です。
ビジネスホテルは利用しますが、温泉地に行くと大抵似たような四角い箱のふるびたビルがポツポツ建っています。
きっとその時代、たくさんの人が訪れるのに対応するべく、たくさんの人が収容できる建物を造ったんだと思います。
これも合理性の追求ですね。
けれども、私は別に誰かに命じられてそこを機械的に訪れるのでない限り、木造だったり、画一的ではない建物に泊まってみたい、と思っています。
資本主義を追求する為に、合理主義に走った日本。今少しずつそうではない方向に舵切りをしているように思います。
昔程、田舎で農作物を作っている人が都会の人に馬鹿にされることもなくなったような気がします。
災害によってインフラが止まり、人間の暮らしに必要不可欠な要素である「食」は、作っている人や穫っている人がいる、ということが一時的に表面化したことも影響しているかもしれませんね。
しかし、かつてどの国よりも合理的に突っ走ったが故に、残った建築物の無機質な感じは今後10数年はまだまだ残りそうです。修一さんは、過去にそういった物を自分が作ったことへの贖罪とまで言ってはおこがましいですが、それに似たメッセージを、自らの暮らしを以て表現しているように私は感じました。
私はスローライフ映画は好きですが、スローライフ万歳とは思っていません。
熊や猿が日常的に現れるど田舎育ちなので、あんな映画のようなスローライフはフィクションだと思うし、修一さん夫妻の暮らしも、宝くじに当たったレベルの成功確立なんじゃないかと思う節もあります。
というか、田舎でスローライフってほぼ無理だろうな。
都心の郊外でスローライフはできるだろうけど、山が近いリアル田舎じゃほとんどサバイバルになるもんね(笑)
けれども、同じように超合理的な生活を永久に続けられるのも1つの才能、運だと思っています。
私は上京したばかりの時、いわゆるラット小屋に住みましたが、「ずっと」そこだったら多分病みます(笑)
でも、都会が嫌いな訳じゃない。むしろ超便利。好き。
じゃあ、どうやって暮らすか?
普通のスローライフ映画だと、
「ああーあの暮らしいいなー」「素敵だなー」
くらいで終わるのですが、
修一さん達の圧倒的に突き抜けた生活スタイルは強烈故に、
「暮らしとは何か」「生きるとはどういうことか」
と、自分の生活スタイル、人生への向き合い方を改めて考えさせられました。
時をおいてまた見直したいのですが、なかなかDVDにはならないようです。
Amazonとかでレンタルだけでもできるようにならないかな。
公開されている劇場も非常に少ないので、せめて配信orDVD化してくれますように。
おやすみなさい。
「こなす」ではなくきちんと「取り組む」人間になりたいと思いました:映画『日日是好日』
新年度ですが、時間をつくって映画、『日日是好日』を観てきました。
やりたいことが見つからない20歳の大学生が、お茶を習いはじめる、というお話です。
大学生役を黒木華さん、お茶の先生役が樹木希林さんが演じています。
主人公が通うお茶の教室に飾ってある言葉が、『日日是好日』という言葉です。
この言葉は禅語の1つです。
そのまま読むと、「毎日良い日が続いて嬉しいね」といった具合なのですが、もちろん違います。
好日の好は好悪の好ではなく、「よし、今日もこれを改善しよう」とか「よし、がんばるぞ」という決意の意味での好だそうです。
毎日、いろんなことがあるけれど、そんな日々を良い日だ、悪い日だと決めるこだわり、とらわれをさっぱり捨てきって、その日一日をただありのままに「よし、がんばろう」と生きる、という清々しい境地。
というのがこの言葉が意味するところのようです。
私がこの言葉と始めて出会ったのは、『日日べんとう』という漫画でした。
私は、毎日朝食にお弁当、夜食をつくっている中で、どこかで食事の準備が「こなすもの」という感覚になっていました。
けれどもこの漫画を通して、主人公が日々の食事を心を込めて準備する姿を見て、自分自身のお弁当作り(と夜食、朝食作り)も人生の修行のようなものだと考えるようになりました。
一回一回が真剣勝負の場だと捉え、工夫と努力を怠らないよう心がけるようになりました。
映画の中でも、
・お茶の世界はそういうもの
・頭で考えずに手を動かす、そうすれば手が覚える
など、表面だけなぞると、
・思考停止状態
・機械にもできること
といった、「こなすもの」の感覚である風にも捉えてしまえるような台詞がバンバン出てきます。
けれども、黒木華演じる女子大生が、手を動かす中で自分自身が見つけた感覚がそうではない、ただ「こなす」だけでは見えない世界がその先にあるのだということを、お茶を通じて理解して行く場面は、見ているこちらも言葉に単純に表すことが出来ない、「何か」に気がつかせてくれます。
観終わった後には、
映画は所詮他人が切り取ったものなのに、お茶を習っているだけの、言ってしまえば地味なシーンだけでこんなにも深いメッセージを送ることが出来るなんて。
・この監督(映画)スゴい!
という気持ちと、
・お茶ってスゴい!
という気持ちになりました。
お茶に限らず、日本の「道」と名のつくお稽古って全部そういう側面があるのかもしれません。
柔道、剣道、合気道、華道、そして茶道。どの「道」もその技術自体を高めることを大切だとしつつも、それ以上にその人自身の精神性を育てる側面があります。
私は「道」と名が付くお稽古事は1つもやったことがないので、もうちょっと今の自分の生活が落ち着いたら、何かの「道」を始めてみたいな、と思いました。
おやすみなさい。
勉強、学習、自分磨きのモチベーションが上がった映画3選
勉強に飽きたときにモチベーションアップ、リフレッシュのために映画を見ることがあります。特に映画をたくさん観るようになってから、いろんなまとめサイトの映画リストもよくチェックするようになりました。
恋愛映画とか、絶対泣ける映画、とか結構有名どころ7個+3つくらいは知らない映画だったりするので、その辺りをチェックして実際に見てみたりしています。
が、いろんなまとめがあるなかで、ずっと1つ、腑に落ちなかったのが
『勉強のモチベーションがアップする映画リストのまとめ』です。
結構たくさん観るようになったので、リストの大体が観たことがあるもの、だったのですが、
え?なんでこれで勉強のモチベーション上がるの?
私が上がらないだけで世の中の勉強家はみんなこれで上げてるの?
とすごく?な思いを持ち続けていました。
そんな小さなひっかかりを持っていた時、ふとこんな動画をツイッターで見つけました。
東大芸人さんのおすすめということでなんとなく本当にモチベーションが上がりそうです。
実際紹介された映画は納得のラインナップでしたし、私が常日頃もっていた、「あのリストおかしくないか?」という思いも自分だけではなかったことも分かりました。
自分だけがおかしいというわけではない、(というかまとめサイトたちの多くがすすめる映画はやっぱりあんまりモチベーション上がらなさそう)という確信を得たので、東大芸人さんとはちょっと違う、私が勉強・学習・自分磨きのモチベーションが上がった映画を3つまとめてみたいと思います。
キューティー・ブロンド
個人的に自分の中でダントツに勉強、学習のモチベーションが上がる映画です。
かわいくてファッションが大好きなブロンド美女が彼氏にふられたこと(もっと知的な女性と付き合いたいという理由で)をきっかけに、ハーバードのロースクールを目指し、そして通学するお話です。
ハーバードのロースクールに入るまでの受験勉強期のシーンもなかなか刺激的なのですが、実際に入学してから勉強に励むシーンの方が長く、受験が終わっても学び続けることの大切さと楽しさが観ている側にもめっちゃ伝わってきます。
また、彼女は法律を学ぶ以前はファッションが専攻だったのですが、それも中途半端ではなく、かなりしっかり勉強していたことによって彼女自身を救う手助けになるシーンがあったりして、どんなことでも学ぶことに無意味なことはないし、そしてやるなら徹底的に学ぶことは大切(ファッション知識が法律家になるのに不必要ということはない)ということも感じました。
1時間30分ちょっとくらいのテンポのいい映画で、かつ気持ちのいいサクセスストーリーなので間違いなく元気になれます。
特に女性は、主人公が金髪美女であることからちょっとセクハラめいた意地悪を乗り越えて社会で活躍するシーンなんかもあるので、元気とともに社会を渡り歩く勇気ももらえます。
プラダを着た悪魔
有名な映画ですね。ファッションが好きな人、仕事へのモチベーションを上げたい人、ダイエットへのモチベーションを上げたい時、ももちろん観たくなるのですが、私は全く自分が興味関心のなかった、もしくはないことに取り組まなければいけない(勉強しなければいけない)壁にぶち当たった時によく観ています。
主人公はどちらかというとガリ勉タイプでオシャレに興味がない……のに、世界的なファッション雑誌編集長のアシスタント、という仕事に就くことになります。
最初は自分がやりたいことはジャーナリストになるための経験値を得ることであり、ファッションを発信はしても自分自身がその中にハマるなんてバカバカしい、と反発するのですが、紆余曲折あった後、そこで認められるべくファッションの勉強を始めます。
この流れを観ていると、一見自分には必要ないと思うようなことでも、時として学ぶことは無駄にはならないのだなあ、というモチベーションが生まれます。
奇蹟がくれた数式
事務員の仕事をしていたインド人の数学の天才が、とある数式の解答をイギリスのケンブリッジ大学の教授に手紙で送ったことがきっかけで、ケンブリッジ大学に入り、そして共同研究をしていくストーリー。
主人公は天才だけれど、きちんとした教育を受けたことがなかったために大学で論文を書くことに苦労しつつ、最終的にはケンブリッジの最高峰トリニティカレッジの研究員となるのですが、どんなにできる(才能がある)人間であっても、それを認めてもらう(誰かに伝える)ためのスキルは磨かなければなかなか身に付かないのかもしれない、ということをこの映画を観て感じました。
天才であってもこれだけの思考の積み重ねの末に成果を上げている、そしてそんな天才でも積み重ねているくらいの量の努力を自分は積み重ねているだろうか、と自分自身へ問いかけてしまう映画です。
★おまけ
勉強するモチベーションが上がる!!と強く推す訳ではないけれど、人によっては勉強することも含めて、とりあえずモチベーションが上がると思われる映画。
インド映画。舞台はインドのエンジニアを育てる大学。長いですが大学で一生懸命勉強したくなります。教育に興味がある人にもオススメ。
胸キュン映画として有名なようですが、進路に悩み、決断する15歳の姿から、自分はなんのために勉強、仕事をするのか、目的を改めて考えるきっかけをもらえます。
勉強は全く関係ないのですが、一人の女性が堕落しきった生活から復活を遂げる映画。努力を積み重ねるシーンは運動シーンなのでダイエットのモチベーションアップにも。
また、今話題の安藤サクラさんの熱演にも注目。
後半戦から主人公が勉強の楽しさに気づいて勉強に目覚めていくシーンがあり、勉強の楽しさとの出会いを思い出させられます。
東大芸人さんが選んだものとはちょっと違うラインナップ。
女性と男性とでもモチベーションが上がる映画って違いそうだな〜。
おやすみなさい。
アカデミー賞作品賞受賞の話題作『グリーンブック』鑑賞レポ
アカデミー賞で作品賞を受賞し、話題となっている映画『グリーンブック』を観てきました。
舞台は黒人差別がまだ激しかった1962年のアメリカ。
有名なキング牧師の「私には夢がある」(I have a dream)のスピーチがあったのが1963年8月28日なので、黒人差別の真っ只中、という時代背景を理解して観たい作品です。
- ★あらすじ
- ★2019年にこの映画を観て思うこと
- ★差別が生んだ壁の存在に気づくことが出来るかどうか
- ★自分がいつもいるコミュニティを出るということについて
- ★おまけ:一緒に観たい、差別問題に関する映画
- ★おまけ:世界一周、日本縦断的な旅の意味
★あらすじ
舞台は1962年ニューヨーク、及び南部アメリカ。
ニューヨークのナイトクラブで用心棒を勤めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)はケンカの腕も、トラブルをウマく丸め込むハッタリも上手なイタリア系アメリカ人。ガサツで無学だけれど素敵な家族、仲の良い親族に恵まれていた。
ある日トニーは、「神の域の技巧」を持ち、ケネディ大統領のためにホワイトハウスでも演奏をしたことがある黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)のコンサートツアーの運転手として雇われる。
シャーリーはまだ差別が根強く残る時代に、黒人にとって制約と危険が多い南部をあえて目指す。
粗野で無教養なイタリア系用心棒と、インテリな天才黒人ピアニストという何もかもが正反対な二人が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、ツアーへ旅経つ。
ーフィルマークス参照
★2019年にこの映画を観て思うこと
日本人で黒人差別の歴史を学ぶと言えば、キング牧師のスピーチを英語の時間に聞く、とか世界史でアメリカ史を学んだときに見聞きする、くらいでしょうか。
私もそれとアパルトヘイトの知識が少しある程度、というまあ恥ずかしい知識量です。
この映画を観て始めて「グリーンブック」という本の存在を知りました。
今の時代にもうグリーンブックはないけれど、差別がなくなったかと言えばそんなことはありません。
もちろん移民政策と差別の問題は分けて考えるべきだと思うけれど、最近の世界的な(どこの国とは言わないけれど)移民をシャットアウトする世界の流れがある現在をどう考えるべきなんだろう、ということは少なからず考えさせられました。
映画の後半になるにつれ、差別の激しい南部へと突き進むわけですが、演奏をするはずのレストランでドクター(ピアニスト)がレストランに入れてもらえないシーンがあります。
・このレストランは伝統的に黒人は入れない
・違うレストランを紹介しよう
と、さもレストランのオーナーはさも親切に、そして厳かな伝統を語るようにドクターを説得します。
伝統的に入れない、なんて、多くの日本人はそれに納得してしまいそうな台詞ですね。
郷に入りては郷に従え、でしょ?とかって。
差別ってこういうことだと思いました。
伝統という言葉を印籠に思考を停止して、それは本来どういう意味で決められたことなのか、みんなが考えなくなる状態です。
例えば相撲。
女性が土俵には上がれないということで、看護師さんだったり、自治体の代表者となった女性が不自由な思いをすることがありましたね。
もちろん相撲の歴史を考えれば伝統というのは分かりますが、
そもそもここまで相撲が商業化してしまっているのに、そこだけ都合良く(女性側からみれば)していていいの?
という視点を持つ人が増えたからこそ、持ち上がった疑問だと思います。
他にも、最近最も日本でアツく話題になっているのはLGBT関連と医学部不正入試問題(女性差別)の問題でしょうか。これに関する様々な制約も、本来なんでそんなことが決まっていたんだっけ?ってことを振り返るべき事案なんだと思います。
★差別が生んだ壁の存在に気づくことが出来るかどうか
最近こんなTED動画を観ました。「Why the”wrong side of the tracks” is usually the east side of cities」
世界のそれぞれの都市は、大体街の西側が豊かで東側が貧しい、というスピーチです。
考えてみれば東京都内も西側と東側を比較すると、西側の方が不動産価格も高くてお金持ちが多いイメージで、東側は町工場が多く、庶民の町、といった雰囲気です。
東京もさらに小さく、駅単位で町をみてみると、大体駅の西側が落ち着いた住宅街の雰囲気で家賃も高めなことに対して、東側は家賃が西側より気持ち抑えめなことが多いです。
不思議!どうして?と思った人は動画を観てみてください。
(確か日本語訳されたものもあったはず!)
何が言いたいかというと、世界には前時代に築かれた様々な壁がひっそりと生活の中に隠れている、ということです。そしてこの壁は、新しいことを知ったり、経験したりすることがなければ、気がつかないまま、見過ごしてしまえることがほとんどです。
それを知った人は問題の解決に一生懸命になるけれど、それを知らない人は「あいつ、何やってんだ?」って思う訳です。
壁の存在に気づきさえすれば、少なくとも「あいつ、何やってんだ?」とは思わなくなるでしょう。自分自身が熱心になれなくても、「何か自分にできることがあればやろう」くらいには思えるようになる気がします。
★自分がいつもいるコミュニティを出るということについて
映画の中で素敵な家族、親族に囲まれたトニーは幸せそうに描かれています。トニーにとってのいつものコミュニティは居心地が良さそうで、トニーはすすんでそのコミュニティを出る気もありません。
そんなトニーはドクターの演奏旅行に同行する、という形でトニーはいつものコミュニティから離れて旅をします。
コミュニティから離れてみると、いつもと違う情報がトニーにたくさん入ってきます。
旅をしているので、物質的な
・自分が住んでいるアメリカという地は広大だなあ
・ケンタッキー州で食べるケンタッキーうまい
みたいな感想ももちろん持ちますが、ドクターといういつもは絶対に一緒にいない人種の人といることで、
・州によっては黒人が夜出歩いてはいけない法律があることを知る
・黒人が泊まる専用の宿の様子
などなど、ただ旅行をする以上に気がつくこともたくさんありました。
(そして実際に、物質的な体験よりもドクターを通して感じた精神的体験がトニーを大きく変えていきました)
違う場所に行くこと、というのは自分に全く違う刺激をくれるので、自分自身を変化させたり、何か新しいことに気がつくのに最も手っ取り早く、かつ有効な手段の1つだと思います。
けれども、例えば同じ体験であっても、それを普段自分が全く関わらないコミュニティの人と体験するということもまた、非常にインパクトが大きい経験になるのだと感じました。
★おまけ:一緒に観たい、差別問題に関する映画
せっかくこうした映画を観たので、関連して違う映画もみたいと思って調べてみました。
欧米系の差別はもちろんだけど、アジアや他の民族のもこれを機に観てみようかな。
★おまけ:世界一周、日本縦断的な旅の意味
航空券が安くなったことと、情報をネットでとりやすくなったことから、長旅に気軽に出る人が増えたような気がします。昔、私も日本縦断ではありませんが1ヶ月くらいかけて北海道を自転車で浅く一周しました。
現地で感じることも非常に学びにはなりましたが、一番良く覚えているのは現地での人との交流と、自分自身と対話した内容だったりします。
今ではツイッターなんかで簡単に実況出来ますが、たまにはSNSを離れて自分とその土地とだけで対話する日が1日あっても面白いんじゃないかな、と思います。
おやすみなさい。