最近は夜にグイグイ楽しく飲むお酒よりも、休日の昼間にちょこっとつまむように飲んで、ちょっとだけいい気分になって1日を過ごすことができるランチ酒に傾きつつある中で発見した一冊。
主人公にとって、ランチは我々のディナーみたいな位置付けのようなので、またちょっと感覚は違うのかもしれないけれど、これまでとはちょっと異なるご飯系小説を楽しみました。
色々なご飯系小説を読んできたけれど、お酒をかなり打ち出しているのは初めてだったかもしれません。
小説を読むとちょっぴり安心します。小説にはあまり「普通の人」というのは出てこなくて、最初にちょっとギョッとするような設定だったり、そんなこともあるのか、という自分の想像を超えた人物がにょっと出てきて、だんだんと自分の中にそれが溶けていって、読み終わる頃には一人、変な友達が増えたような気分になります。
そんな変な友達が心の中にいると、多少生きていて「変なこと」や「変な人」に遭遇しても、自分の中でなんとなく知り合いの知り合いくらいの感覚があって、あんまりギクシャクせずに、自分の自然体で話すことができたり。
それからこんなふうにも生きていくことはできるんだ、自分にどうしようもないことが起きた時にはそんな生き方も考えよう、という安心感を持てたり。
とにかく小説を読むと安心するので、なんだか落ち込むことがあるとついつい本棚に手が伸びます。
文字を読んでいると人は眠たくなる人の方が多いようですが、自分がそんなことはないので、何かを読むことや文字情報というものにとても耐性があるのかもしれません。
東京はとても文字情報が多いです。広告が多いから。
それに疲れてしまう人も多くて、疲れてしまうと広告が少なくなる田舎に行きたくなるのかもしれません。
けれども自分はなんだか逆で、実家に帰った後、東京に戻ってくるにつれて文字情報が増えてくるとどこか安心します。
人がいる安心感を感じているのかもしれません。人間が一番怖い生き物だ、という話は有名ですが、一方で一番優しい生き物にもなれるのも人間だと思っています。だって人間も動物だから。
おやすみなさい。