映画が気になりつつ、上映中には観に行けず。ふと図書館の返却本コーナーに原作を発見したので借りて読みました。
読み終えて思ったのは、果たして貴族とは誰なのか、ということ。
サピエンス全史で人間の想像力という力のパワーが強調されていたことを思い出しました。
誰が貴族で誰が貴族でないのか、というのもまたこの想像性に支えられているものなのでは、ということを改めて考えさせられました。
このストーリーの中でいわゆる貴族という立場で登場する人物たちは、特に何か他の人に対して多くを分け与えている特殊能力があるような描き方がされていないし、実際もまたそうなのだと思います。
この生まれ、この学校出身者、この会社に勤めている。だからこうだよね、という周囲からの想像でその人は構成されている様子の描写が印象的でした。
これが究極的に行き着く先はマトリックスの世界なのかと思うとなんだか面白いです。THE虚構。
でも虚構を生きるのではなく実を生きるというのはどういうことなんだろう。
突き詰めて考えると自分が生きようとしている実なんて存在しないんじゃないかとか考え始めてしまいますが、人間が想像の果てに生み出したものではなく、自分自身の想像も付け足した、自分自身の感覚もそこにある場所で生きていきたいなあと思いました。
ひとまず感想まで。
おやすみなさい。