オックスフォードの教育学博士号を持つ著者が世界トップ層のスタンダードな学習方法やその根底にある思考を紹介している一冊。
この本を読んで強く思ったのは、
・いつか自分もオックスフォード(というかこんな学校)で学んでみたいな
・学校の価値は如何なる「学び方」を学生に授けるかで決まるのではないか
という二点。
ちなみに学費で博士三年間は1000万くらい、と聞くので、滞在費等含めたら地方でちょっとした家が建つくらいは必要そうですね。
奨学金もあるようですが、ちょろっと読んだだけでもすごく素敵な学び舎だったので本当にいつか行ってみたいです。
さて、学校の価値が「学び方」を学生に授けることにあるのでは、と感じた点について。
何を学ぶか、は置いといて、オックスフォードの学び方は非常に面白く、かつ本当に力が身に付きそうな手法だと感じました。
特徴的なものの1つが「チュートリアル」という方法。
毎週5〜10冊の課題本を読み、それについて自分のレポートをまとめ、そのレポートについて担当教授と一対一で話し合う、というもの(かなりざっくりというと)
毎週読まなければいけない本の冊数もすごい数ですが、一対一で行われるこの授業で学生達は追い込まれ、時に涙することもあるのだとか。
つまりは非常に厳しい、けれどもとても力が身に付きそうな思考のトレーニングだと思いました。
厳しいと思うと同時に、各種学校の価値ってここにあるのではないかと思いました。
一般的な公立の学校だけにいると、基本的に勉強の方法というのは自分で模索することになります。
塾に行かなければ受験のテクニックでさえ自分で見つけ出さなければいけません。
ただ、大人になって思うのですが、勉強の内容自体はある程度までは自学できることがほとんどです。
仮に教えてもらわなければいけないことがあったとしても、有名予備校の講師の動画でも見てしまえばすんなり理解できたりします。
けれども、勉強のやり方だけは教えてもらう(というか様々提示してもらう)ほうが早いですし、さらにその方法を使って自分なりの勉強方法を進化させていくこともできる、発展性が無限にある技能なのです。
この無限にある技能の根本を教えることはあっても身につけさせるアクションをとっている学校って日本にあるかな?と考えた時、ほとんどないような気がします。
小学校までは勉強の楽しさを知る期間だとして、中学校は案外、学びの手法、学びへの向き合い方に特化しても学力はそこまで落ちないんじゃないかとも思ったり。
(勉強は学ぶ意味を自分の中で位置づけられるとすごく吸収率がよくなるので)
というわけで、学校を考えるときには、そこにいる仲間の他、どんな学び方を自分にくれる場所なのか、という視点を1つ足してみても面白そうだな、と思いました。
おやすみなさい。