まっすぐにいこう

けいぞくはちからなり

悔しいけれど、わがままな夫が好き過ぎて得意料理が増えていった

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今週のお題「得意料理」

 

私の夫はわがままだ。

家事を夫婦で協力し合うことが主流のこのご時世に、家事はほぼできない上に、上から目線でダメ出しを無意識に繰り出す、ザ・昔の男だ。

結婚して数年が経って、私が最大二週間いなくても生活が成り立つ程度には自立することに成功したけれど、二週間以上は家を開けられそうにない。

 

けれども、私はそんな夫がとても愛おしい。

家事ができないし、私に上から目線だけど、私のことが好きで好きで、私がいないのは嫌だ、と堂々と宣言した上に毎日イタリア人ばりに愛の言葉を語りかけてくる。

私が多少クールにほっておいても、語り続けている。

多分前世はイタリア人だったんだと思う。

 

小学校、中学校、高校で、勉強もスポーツもできて学年を超えて先輩、後輩にもモテていた、というリア充のトップみたいなやつでも、家事は苦手で、というか唯一家事が苦手で、という事例を見ていると、神様はちゃんと完璧人間を作らないように手筈を整えていてくれたんだな、とも思えて、なんだかかわいい。

 

家事が全く出来ない代わりに、きちんと社会貢献をして稼ぐ力はあるわけだから、人間誰しも何かしら苦手なモノってあるよね、の苦手なものが、彼の場合家事全般だったのだと思えば、まあ許せる。

私だって、どうがんばって車の運転は苦手で、緊急事態でない限り運転はしたくないので、車の運転に関しては全て夫が引き受ける。運転好きみたいだし。私も家事が嫌いではないから、無理をしない範囲で家事をする。整理整頓が苦手なら、一緒にやり方を工夫するし、旅の準備は私がやる分、チケットの手配は任せる。

 

色々差し引いても夫はわがままな部類だけど、イタリア人にも勝てるくらいの愛情表現力に負けて、私はわがままな夫を愛おしいと感じている。

 

そんな夫、料理は大して、というかほぼできないのに、味にはうるさい。料理はしないくせに、美味しいものとそうでないものの違いだけは分かっている、世間一般で見れば、とんでもなく面倒な奴だ。

 

けれども、私は夫が好きだから、やっぱり美味しいと言ってもらいたい。けれども、なんだかんだ面倒くさがりでもある自分は、そんなに凝った料理もしたくない。

そして工夫を重ねた結果、夫が好きなメニューかつ簡単に作れるマイレシピ集が出来上がりつつある。

自分も夫も酒飲みのせいか、酒飲みに嬉しいメニューに偏っているけれど。

 

そんな得意料理、ベスト3がこちら。

 

その1:鶏もも肉のレモン塩

超簡単なのに、夫はこれが大好きだ。商談で一人あたり諭吉を何枚も使う店の鶏肉の焼き物よりこっち、と言われたときは、夫の味覚を疑ったけれど、多分イタリア人の前世の影響によるリップサービスだろう。

肉をがっつり食べたい男心を満足させた上に、作るのが超絶楽チンという、私の中でのスーパーメニューだ。

《用意するもの》

鶏もも肉、しお、胡椒、料理酒、レモン塩ドレッシング

《作り方》

パックに入った鶏もも肉の裏と表に塩こしょうをかけて馴染ませる。

料理酒をかける。パックに入れたままだと洗い物が少なくて楽。

私はいつも大抵10分ほどほったらかす。

フライパンに油を少し引き、鶏もも肉の皮から焼く。火は中火。蓋をする。

※焼きはじめと同時にレモン塩ドレッシクングをかける。

焼き目がついたらひっくり返してきちんと火を通す。

 

これで完成。あとは切って出してもよし、そのままステーキ風で一枚まるまる出しても、男はテンションが上がるらしい。(夫談)

鶏もも肉は冷凍していたものを解凍したときは、解凍時に出るピンクの汁は捨てた方がおいしくなる。

 

その2:よくばり月見つくね

居酒屋で出てくる、黄身がのったつくね。あれ、うまいよね。お酒によく合うし。何より黄身がのっている時点でインスタ映えもする。(多分)たまにお店で巨大月見つくねを出してくれるお店はあるけれど、なんのその。家で作れば正真正銘の巨大なつくねが作れる。

私の楽チンメニューの一つだけれど、その豪快な見た目は夫の友人にも好評で、遊びにこられた時には毎回リクエストにあがる。

《用意するもの》

鶏ひき肉、卵1こ、片栗粉、醤油、みりん、料理酒、塩、胡椒

(しいたけ、ねぎのみじん切りを入れてみても美味しかった。レンコンのみじん切りを入れたときは食感が面白かった)

《作り方》

ボールに鶏ひき肉を入れて、塩、こしょうを適量ふる。

卵を黄身と白身に分ける。白身を鶏ひき肉が入っているボールに入れる。

(黄身は最後にのせる用)

片栗粉を鶏ひき肉と混ぜる。白身とともにつなぎの役割を果たすので、様子を見ながら少しずついれるとよい。私はいつも多分白身の量と同じくらいか少ないくらいを入れている。多すぎると美味しくなくなる。

手で練るように混ぜる。

醤油をひとまわし、料理酒を少々入れる。

熱して油を引いたフライパンにつくねの形で焼く。大きいので、フライパン上で形を整えるといい。真ん中に黄身用のくぼみをつくるのを忘れずに。

※ふたをして中までじっくり火を通す。

裏に焼き目がついたら、ひっくり返す。

火がきちんと通ったらお皿にうつす。そして黄身をくぼみにのせる。

同じフライパンに、醤油・料理酒・みりんを同じ割合で合わせたものをいれる。(これがたれになる。好みで片栗粉でとろみをつけてもよい)

沸騰したらすぐに火を止めて、お皿に移したつくねにかける。

 

これで完成。大きく作るときは、卵を二つ使うこともある。私はずぼらなので、そういうときはくぼみも二つにする。豪華な月見つくねになる。

 

 

その3:余り物野菜を消費する麻婆豆腐

カレーも作るけれど、後片付けの楽さも考慮すると、麻婆豆腐ほど楽なものはない、と思っている。(本チャンの中華料理屋さんごめんなさい)

ごはんにかけて、丼ものとして出しても良いし、単品のメインおかずとして出してもいける。

最悪野菜はみじん切りにしていなくても美味しい麻婆豆腐に変身してくれる。

《用意するもの》

豚ひき肉(あいびきも可。とりあえずひき肉)、すきな野菜、あれば豆腐、にんにくチューブ(もしくはにんにくのみじん切り)、しょうがチューブ、シャンタンもしくは中華風調味料、塩、胡椒、豆板醤、水、片栗粉

《作り方》

油を引いてひき肉を炒める。フライパンは大きめで。

にんにくとしょうがを好きな量投下。炒める。にんにく多めがおすすめ。

野菜と豆腐を投下。炒める。塩こしょうをふる。

十分炒めたら、水を入れる。適量。肉と野菜が水を完全に被らないくらいがいい。

ぐつぐつ音がし始めたら中華風調味料と豆板醤を投下。

味見をしながら味を整える。

最後に水と来片栗粉でお好みのとろみをつける。

 

完成。ニンニクを引いても美味しい上に、朝も食べられる代物になってくれる。さすがに出勤前にニンニクはあれだからね。野菜はみじんぎりじゃなくてもおいしい。以前鍋で余った白菜を入れたけどおいしかった。

 

 

肉料理多いな、と思ったかもしれない。けれどもしょうがない。これはわがままな夫が好きすぎて増えたメニューたちなのだから。

 

 

戻ってやり直せたらいいのに、と思う瞬間

 

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高校生の頃、特にテストが終わった後は、もっとあの辺りを勉強していれば良かった、とか。時間を巻き戻したい欲求にしばしば襲われていた。

名探偵コナンを見れば、自分も小学校に頭脳このまま戻りたい、と思ったこともあるし、時をかける少女を見たときには、私もタイムリープをして夏休みをもう一回過ごしたいって思った。

 

けれども、いつからだろうか。

学生の頃にできなくて悔しい思いをしたこと、あっちを選んでいたら自分はどうなっていたのだろうか、という好奇心は今はもうない。

ほとんどきれいさっぱり、戻ってやり直したいという気持ちはどこかに行ってしまった。

働くことは楽しいし、責任が伴う分だけ自由の幅が大きい。しかも多分、世界は大人が楽しめるようにできているようで、大人が楽しめるエンターテイメントは多くて、エキサイティングだ。

 

何より、失敗を重ねたり、悔しい思いをしたあの時の自分がいたから、今の自分がいる、つまり、そういった苦い経験も今の自分を形作っている大事な記憶であり、思い出であるから、消してしまったり、変えてしまったら、きっと今とは全然違う自分になってしまう。

今、自分は自分が好きで、誰にも代わってもらいたくないし、代わりたいとも思わない、私だけの楽しい人生を歩んでいるから、そういった自分を変えたくない、と思っている。

だから、あれほど考えていたタイムリープができたら、の「たられば」も、今の私にとってはもう既に、過去の自分の妄想であり、そんな「たられば」を考えるくらいなら、今の自分で最大限、今を楽しむためには何をしたら良いのか、を考える時間に充てたいと本気で思う。

 

そんな、過去に戻りたいとはもはや思わない、私。だと自分で思っていたのだけれど、最近、一つだけ、あることに関して言えば、過去に戻りたい、と思っていることに気がついた。

 

それは、「本との出会い」だ。

 

私は小さいときから本が大好きだ。

物語を読むときはいつもわくわくした。ナルニア国物語を読み始めたときは、ワードロープを抜けた先にあった世界にワクワクして、自分もナルニアに行けないものか、家中のクローゼットを開けたり閉めたりしていた。

お母さんの衣装タンスがナルニアに登場するワードロープと似ていて、母の留守中にこっそり入り込んで、扉を開けたらナルニアにワープしていないか、何度か試したこともある。

ハリーポッターシリーズにもはまった。一巻でハリーが魔法と出会って、杖やら学校の教科書やらを買い込むシーンは何度も読み返した。

獣の奏者シリーズも面白かった。続編が出たときは早く読みたくて一生懸命お小遣いを貯めた。

 

どのお話もそうだけど、最初の一回は本当に特別だ。最初の一回目に読む時、というのは、その世界のことをまだ何も知らなくて、頭に入ってくる情報の全てが新鮮で、次に次に早く読みたくて仕方なくなる。

敵役だった登場人物が助けにくる展開とか、味方だと思っていたやつが的になったりする展開で感じるドキドキ。それは最初に読んだときにしか味わえない。二回目に読むときは読むときで、前後関係を知っているが故に感情を理解しながら読むから、それはそれで面白いのだけれど、それでも、どの物語であっても、始めて読むドキドキ感というものは何者にも代え難い、貴重な感情だ。

 

一回ぽっきりだからこそ、すごく貴重で、大切な時間であり、記憶なのかもしれない。こればっかりは、どんなにお金を積んでも、買えない感情だ。だからたまに本を読み返すと、考えてしまう。

過去に戻って自分を変えたいとは思わないけれど、もしも過去に戻れるのであれば、あの数々の面白い物語を知らない自分に戻って、またあのドキドキやワクワクを感じたい。と。

 

戻れないのなら、その本を読んだ記憶だけ消す薬、なんてものがあったら飲んでしまうかもしれない。一時的に、その本に関する記憶だけ失って、読み終えて感動を味わった後に思い出す。

そんな近未来的な読書体験ができる時代がやってきたりしないだろうか。

 

 

 

旅行に行くときの荷物の量を減らした結果、残ったもの

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旅慣れてくると荷物は減る。

旅行に行って身軽に歩けると気分がいい。だから旅行を重ねるたびに荷物は減って、旅慣れたひとほど荷物が少ない、という式が成り立つのだと思う。

実際、旅をしていると、超金持ち層を抜かせば、欧米の人ほど荷物が少なくて、日本みたいな遠いところに来るにもバックパック一つ、という人は多い。家族でバカンス、とかだと量は多くなるようだけど、それは旅ではないから、ということらしい。

逆に荷物が多めなのが最近だと中国や東南アジア系の人達だ。もう前よりも加熱はしていないみたいだけど、やっぱり爆買ということで買ったものを持ち帰るために大きなスーツケースが必要なのだろう。

 

けれども、熱が冷めて体験に人が移行するように、旅を重ねるごとに荷物が少なくなって、物に執着しなくなるのは旅の歴史の流れなのかもしれない。

最近の日本人も少ない人が増えたように感じるけれど、一昔前の日本人の海外旅行は今のアジア圏の方たちと何ら変わりなかったんじゃなかろうか。

 

そんな私も旅の荷物は少ない方だ。夫婦になってからは夫婦でスーツケース1つででかける事が多い。

家に物を増やしたい、という想いがないし、重たい思いをしてたくさんの物を持って返ってくるのはなんだか嫌になったからだ。買い物目当てだったり、それこそバカンス的な位置づけで旅行に行くときは別だけど。

 

そんな私の最近の海外旅行に行くときの持ち物リストがこちら※10日間想定

【スーツケース】

・下着、及び靴下(4日分で捨てても良いくらいのやつ)

・洋服(パンツ×1、プルオーバー×2、ブラウス×1、ワンピース×1

スカーフ3枚

ランニングウエア上下

ランニングシューズ

・化粧ポーチ(日焼け止め兼下地、ファンデーション、アイライナー、アイペンシル、アイシャドウ、リップクリーム、口紅)

・化粧水スプレー

・ハンカチ3枚

・ポケットティッシュ2こ

・歯ブラシセット

コンタクトレンズ

洗顔用タオル1枚

・洗濯ネット

スマホ充電器

・電源プラグ変換機

・スエット

日本からのお土産

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・水着

・サンダル

・防寒具

 

【手荷物】

・パスポート(+セキュリティポーチ)

・財布

・ガイドブック

・メモ帳

・携帯充電器

・エコバック

 

あれ?意外とあったかな?でもいつも一週間用のスーツケースに夫婦でおさまっちゃうし、帰りはお土産を入れるスペースもあったりするけれど。

ー私の服類鉄板の持ち物

・洋服(パンツ×1、プルオーバー×2、ブラウス×1、ワンピース×1

スカーフ3枚

ワンピースは街歩き、ちょっといいレストランに行く時用。欧米に行くときは肌触りの良いものを持っていく。東南アジアに行くときは、もはや持っていかず、現地調達することが多い。向こうの方が安いし、それもお土産、思い出になるしね。

パンツはブルーのきれいめのものを長年愛用。壊れても直したり、同じものを買ったり。プルオーバーとブラウスにスカーフという小物でアレンジすると、10日間違う装いになって、写真もそれぞれ変化が出て楽しい。

この旅行用の服に合わせて私服はかなり減った。

 

ランニングウエア上下

ランニングシューズ

短い期間で行くときは持っていかないけれど、長期間で行くときはたいてい持っていって、地元の公園とかを朝ランニングしてみる。

日本より物価が安い國の場合は大抵ホテルを使うので、ホテルのジムとかで走って旅先で食べたものを消化するのに役立てている(笑)

 

日本からのお土産

最近はもっぱら Airbnbを使っての海外旅行なので、行く先々で部屋を貸してくれる家主に持っていく。他、電車の中で仲良くなった人にあげるちょっとしたお菓子も常に持っていると、色んな人と仲良くなれる。日本のお菓子って結構人気。やっぱりおいしいのかな?

 

夫なんか、化粧系の荷物がないから私より荷物が少ない。旅先に合わせて増えたり減ったりはしているけれど、ホテルに連泊する時はもっと荷物が減る。ホテルは何でもそろっているからね。

なんだかんだ、現地で買えるし、なんとかなったりするんだよね。物がないと人間工夫するようになるって、昔おばあちゃんが言ってたけど、本当にそうだった。

 

海外でこんなんなので夫婦での国内旅行はもうスーツケースを使わないことがほとんど。使っても、一泊2日用のビジネススーツケースに二人分。

1つにした場合どっちが運ぶのか?

 

我が家は筋トレと称して夫が運ぶ。

 

 

 

もしも100万円あったら何に使う?

 

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もしも100万円あったら何に使う?

小学生の時、一度はだれかとこんな会話になったことがあるのではないだろうか。小学生の頃の100万円なんて大金で、100万円もあったら何でもできる気がしていた。よほどのお金持ちの子供でない限り、100万円は大金で、夢のある金額だった。

 

大人になるにつれてインフレが起きてしまうので、大人の感覚で言うと1億円、みたいなところだろうか。

 

小学生の頃、100万円あったらしたいこと、として自分があげたものは

・家族でおいしいごはんを食べにいく

・家族で海外旅行に行く

みたいな模範解答のような使い道だった。

買い物が出来るような場所は周りになくて、高校生になるまで買い物なんてほとんどしたことがなく、毎月のお小遣いはそのまま財布に眠るような生活をしていたせいもあるかもしれない。

 

じゃあ今、100万円あったら何に使う?と大人の自分に問う。

宝くじ的にふって沸いた100万円であれば、きれいさっぱり使ってしまうかもしれない。

それこそ使い道は多分旅行。まだ言ったことがない、南米かアフリカ大陸に行ってみたい。余った分は貯金と投資かな。

ふむ。かなり現実的だ。

 

けれども、じゃあ1億あったら、10億あったら、と金額が増えてもやりたいことは大して変わらない気がした。

多分行き先が変わるだけ。

1億以上あったら宇宙に行けそう。夫婦で。

 

意外と子供のときからのやりたいこと、というのは大人になっても変わらないものなのかもしれない。

 

 

 

媚び売る女を心底尊敬した時の話

 

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「す〜ご〜い!」

 なぜ語尾を伸ばすのか。なぜ後半から声色が1トーン上がるのか。なぜそのタイミングでボディタッチをするのか。

 そもそも、それってすごいのか。

よくわからない女の隣で薄ら笑いを浮かべながら頷く私も、よくよく考えれば同類だったのかもしれないけれど、あのときはただただ軽蔑の感情しか沸かなかった。

 

学校でも会社でも、大抵どこにでもいる女がいる。媚び売り系女、もしくは多分作っている天然女だ。そしてこれもまた大抵いるのが、そんな女が嫌い、もしくは苦手な、女に厳しい女。

2種類の女は大抵同時に存在して、思考を反発させ合いながら共存している。

 そして私は、媚び売り系女が嫌いな、女に厳しい女だった。

今や媚び売り系女、もしくは多分作っている天然女について特になんとも思わないし、むしろ尊敬の念を抱いているけれど、あの時は顔はへらへら笑っていても、心の中ではなんだこの女って見下してた。

 

けれども自分のこの姿勢を大変反省させられるきっかけをくれたのもまた、媚び売る女だった。

大学生の頃に参加したサークルの飲み会での出来事だった。媚び売り系女とは、そこで初対面だった。始めましてーと明るい笑顔で挨拶されたが、あの独特のなぜか語尾を伸ばす口調に、私は彼女に対して疑いのフィルターを自分の目にかけた。

 話も面白いし、明るい。オシャレでちょっと美人な彼女はみんなに優しかった。酔いが回った勢いに任せてか、イケメンが彼女の隣に座った。でも、彼女はみんなに優しく、話題をふる姿勢を崩さなかった。

 意外と媚びうるタイプじゃないのかな、と思い始めた会の後半。酔いが回るにつれて、ついに化けの皮がはがれてきた。

話題をくるくる回すことはしなくなった。イケメンへのボディータッチ発動。そしてすごい、やばい、尊敬する、の上げ上げ攻め。

 ああ、やっぱりかあ。

いい友達になれるんじゃないかと、抱いていた淡い期待は吹っ飛んだ。もう彼女を見つめることは止めた。

 

お店から出て、二次会に行くメンバーは道の端に集まっていた。先ほどの彼女と似たような話し方を続けている、同じような媚び売る女の声が、夜の街には似合っている気がした。

私は二次会には参加せず、帰る方を選んだ。お手洗いに行っている間に帰る組はもうほとんど散っていた。

一人、帰り道を歩き始めたときだった。

後ろから、さっきまでずっと聞いていた声が私を呼んでいた。

 

「くろやんちゃん二次会行かない組? 私も行かないの! 駅まで一緒に行こうよ!」

 

返事も待たないマシンガントークは酔っぱらいの証拠だ。

酔っぱらった媚びうる女と駅まで一緒か、と思った瞬間に、違和感を感じた。てっきり彼女は二次会にいくものだと思っていた。いかないにしてもあのイケメンが駅まで送ってくれそうな感じだった。

 なぜ、彼女はもう帰るのだろうか。というかイケメンどこ行った。

 そんな私も冷静に思考を巡らせてはみるものの、酔っぱらいだ。

いーよ! 

一緒に行こう!

と調子良く回答し、二人で駅まで歩くことになった。

 歩き始めるものの、何を話していいか分からない。さっきまでちょっと軽蔑していた女であっても、当たり障りない会話をすればいいのだけれども、酔っぱらった頭がそこまで回らない。

 

回らない内に、彼女の口からとんでもない発言が飛び出した。

 「ねえ、くろやんちゃんさ、私のこと、調子のいい女だなーって見てなかった?」

 なんで分かったの?

あんたはエスパーか?

それともこれが女の勘ってやつ?

 

一瞬思考が止まったが、なんだかんだ私も酔っている。

「ちょっと、っていうのは建前で、結構それ思っちゃった! なんで分かるの? 顔? 私、顔に出てた? それだったら超失礼なことしちゃってた! ごめん!」

 

とりあえず、失礼してしまったことは謝る。しかし、彼女が媚び売る女だと思ったことは否定しない。だってそう思っちゃったから。ここで否定したら、今度は私が媚び売る女になる。という変なプライドも手伝って、素直な言葉がぼろぼろ出てきた。

しらふで思い返せば、とんでもない会話をしている。

 「あーよかった! 面白いね。普通、媚び売る女って見てたでしょって聞かれて、そう思った! っていう人なかなかいないよ」

 

よかった?

どういうことだ?

 

「くろやんちゃん面白い人だなーって思ったからさ、ちゃんと友達になりたくて、もし誤解が生まれていたら解きたいし、理解してくれそうだと思って」

 

え?

まって?

媚びうる女と友達に?

私が面白い?

 

頭の中はハテナマークでいっぱいになった。酔っぱらった頭では、思考が追いつかない。いや、酔っぱらっていなくても追いつかないかも。

 

媚び売る女は、自分の媚び売り論について説明し始めた。

そもそも、彼女にとって媚びとは、自分の要望及び意思を通すための手法の一つだそうだ。

 「例えば、今回だったら、あのイケメンは自分の話をとても聞いてほしいと思ってた。だから私は精一杯の相槌をうちまくって、イケメンに気持ちいいなーって思ってもらおうとしたの」

 

彼女は続ける。ちょっと酔っているけど、しっかり、でもペラペラと話す。

 

「そんで、前に座ってた席でボディタッチされまくってて、そういうノリも好きなタイプかなーと思って、ボディタッチも織り交ぜたの。嫌な顔したらやめよって思ったけど、ノリノリだったからそのまま多用したよ」

 計算している。計算高い女だ。でもそれ、女の私にしていい話なの?

自分の、ここぞのお家芸として、心に秘めておかなくていいの?

 「でもね、私、本当は自分がめっちゃしゃべりたい人なの」

 

めっちゃ、をとても強調して、彼女は言った。

 

「話を聞いてあげた分だけ、自分も聞いてもらいたい、だから、入りは媚でもなんでも、相手が望んでいるであろうことを、できる範囲でやってみるの」

 

あれ。なんだか想像していたのと違う気がする。

 

「なのにさ、あのイケメン、自分が話すだけ話して、聞きたいことだけ聞いて、連絡先交換しよーっだって。私、酔っぱらったときでも相手を考える余裕をもった人がタイプだからさ、トイレに逃げちゃったよ」

 

そこに、私が想像していた媚び売る女らしい像はなかった。

私の中の媚び売る女は、自分の利益にならない存在は蹴落とすし、自分の要望のために、相手のことなんて考えていない女、なはずだった。

 

でもここには、ただ、相手がどうしたら嬉しい気持ちになるか考えて行動する女が、そこにいた。

 

「で、終わりかけにふと思ったのよ。友達になれそうな気がした相手に誤解されてたらやだなーって。くろやんちゃん後半違うところで話してたし」

 

誤解。いや、私は軽蔑までしてた。オーラがきっと出てた。

あなたと私は人種が違う。生きる世界が違う。媚び売る女とは違うのよって。

私が謝りたいくらいだ。よく彼女のことも知らないのに、すごく勝手な判断をしようとしていた。

 

世の中に媚を売っている女はたくさんいる。やり過ぎはもちろんよくない。でもその媚びには、相手がどうしたら嬉しいか、という思考が挟まっていたのだ。

 

相手がどうしたら嬉しいか、一生懸命考えて行動に移すこと、それを私の辞書では、思いやりっていう言葉を使う。

 

「やっぱりすごいね! いい人だね! 媚び売る女だと思っていた私がぺらぺら話してんのを、こんなに真剣に聞いてくれるんだもん」

 

嫌みでなく本気で褒めてくれているのが伝わってきた。

私は自分の視野の狭さを大反省して、私は媚び売る女を尊敬するようになった。

 

今では媚び売りを見ると、分析をするようになった。相手が嬉しいと思っている行動なのか、それとも自己満足の「媚び」なのか。

 それでも、あの一夜を思い出して、なんとも言えない気持ちになる日もある私は、やっぱり女に厳しい女のままなんだけど。

 

 

 

 

秋、図工の時間を思い出して作ってみたいものリスト

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今週のお題「芸術の秋」

 

たまに思い出したかのように工作をしたい欲求が生まれることがある。

大して器用な訳でもないし、絵も上手な訳でもないんだけれど、図工や美術の時間のことを思い出して、ふと絵を描きたいな、と思うときが突然やってくるのだ。

小学生の頃は、リースを作ったり、好きな絵を描いたり、自由奔放に遊んでいた気がするのに、大人になるとすっかりそんなこともなくなった。

けれども、課題が特にある訳でもないし、材料も好きに買って来れる大人になったからこそ、図画工作を楽しめる気がする。

自分のメモがてら最近気になっているけれども実行には至っていない、大人だからこそ作ってみたいものをリストアップしてみた。

 

1.ハーバリウム

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去年か一昨年辺りからだっただろうか。雑貨屋さんでみかけるようになった、オシャレなビンに入っているお花の標本のようなもの。

花のアートで手軽にできるものなんて、押し花かちょっと頑張ってドライフラワーだったけれど、ドライフラワーをつかってこんな素敵なものができるらしい。

何より、枯れないというのがずぼらな私でも管理できそうで嬉しいポイント。お手入れはビンの埃をさっとふくだけでよさそうだし。

調べてみたら意外と作り方が簡単そうなので、やってみたい。

 

2.レジンアクセサリー作り

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レジン、レジン、とみんなが言っているのを聞いて、何の食べ物だろう、と思っていたのはつい最近。手作りアクセサリーのアプリをダウンロードして、色んな作者さんがレジンアクセサリーと言っていて、このきらきらした世界を閉じ込めているような作品のことを言うのか、とやっと理解。しかも100均で材料そろうんですね。手軽そうだし、鍵につけるキーホルダーとか、髪留めとかつくってみたい。

 

3.毛糸ラグ

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こんなに色がカラフルなやつって見たことない、どこで売っているの?と調べてみたら手作り品だった。毛糸と滑り止めマットがあればできるという手軽さだけど、作り方を見ていると、フルマラソンばりの集中力と根気が必要なんだと分かりました。

 

4.切り絵

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何このかわいいレース。というのが最初に見た感想。私が知っている切り絵といえば、折り紙を折ったあとはさみで適当に切って、開いたら柄がでたーみたいなくらいなもんで、これを見たときは衝撃だった。これが本物の切り絵、か、と。

調べてみたら結構簡単に初心者でもできるようで、ナイフを買おうか検討中。

 

5.水彩画

art-geijutsu.com

外国の友達の家に遊びに行ったりすると、とにかくアートがたくさん飾られている。写真も飾られている。自分の家にも何か絵とか飾りたい。と思ったときにふとやりたくなる。

 

意外と切り絵とかは作って額に入れてトイレにでも飾ったらきれいかも。寒くて家にこもりがちになるときこそ、こんなことをして生活を楽しみたい。

 

 

人生で初めて11月に年賀状の準備をしている

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11月の最初に、今年こそは11月に年末年始のやるべきことを計画的にすすめて、12月をゆったりと過ごしたい。楽しみたい。という目標を立てた。

計画は順調で、先週から年賀状の住所入力を始めたし、今月中に断捨離を完了すべく部屋の各所をゴミ袋をもって毎日15分ずつ捨てタイムを実施している。

掃除をしていたら今まで Gが出たことがない部屋の物置き場にGの死骸を発見し、慌ててG対策をまき散らした。

これで暖かくなっても多分大丈夫。

 

クローゼットの中の断捨離もして、もう着ない服、ボロボロになった下着を捨てた。タイマーを使って、夫の側もきれいになった。これであとは大掃除を待つばかりだ。

年賀状のデザインも夫婦会議を開き、決定。来週が友人の結婚式に夫婦で行くから忙しいけれど、決めてしまえばあとは住所入力が終わり次第注文するだけだ。

 

ふと年賀状の準備をしながら、実は11月にきちんと年賀状の準備が終わりそうな兆しが見えているのは、人生で始めて何じゃないかと思った。

 

大抵なんだかんだで日付に追われて、クリスマスイブに全力で書いている。周囲がクリスマスモードで楽しそうなのに、我が家はクリスマスもへったくれもない。ただ年賀状を書いて、なんとか投函して、という過ごし方をする。

 

反省を活かして結婚をした年はなんやかんやで早めに準備を始めたのだが、印刷を知り合いつてで頼んだら、なかなか印刷が終わらない。

11月中旬に頼んだのに、年賀状印刷が終わって届いたのは、天皇誕生日の日だった。かくして、一人一人へメッセージをボールペンで書く作業を、クリスマスにやることになって、こんなはずじゃなかったのに、と悲しくなった記憶がある。

来年からはネットで業者注文にしよう、と思いつつ、来年以降も住所を登録することが面倒で、なんやかんやで12月24日にがんばることになっていた。

夏休み最後の日に宿題をがんばる小学生と似たような状況だ。

 

そして今年はいよいよネットで業者に注文、を実行できそうだ。今年こそは、12月24日はクリスマスイブを楽しみたいし、クリスマス当日も楽しみたい。