くろやんの日記

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田舎に女が暮らすということのリアル『農ガール、農ライフ』感想

農ガール、農ライフ

ここ数ヶ月時代劇系小説にハマっていたのですが、久しぶりに現代の物語に戻ってきました。図書館にてジャケ買いならぬ、ジャケ借り。キラキラ系田舎移住成功譚かと思いきや、「女が田舎で暮らすとは」に関するリアルな要素がてんこ盛り、新規で農業をやるときにぶち当たる壁、余所者という存在の描き方、いくつもの障害が丁寧に描かれた田舎移住譚でした。

 

以下ネタバレ含みます

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最終的にたどり着く場所が、「困ったら農業でもやって暮らしていけばいいよね」という「農業でも」をぶちこわして終わるところが爽快でした。

農家の友人も多い私ですが、農家になるのだって、才能は必要です。困ったら農業で、なんて私は言えません。(酪農はもっと無理なので、牛乳やチーズを見るたびに畏敬の念を抱いております)その才能というのが多分ものすごく地味なんですが、この物語ではこの地味なスキルをサラッと、でもじっくり描いていて、ツボにハマりました。これだよこれー!当たり前って当たり前じゃないんだよー!って心の中で叫びながら読みました。

 

女の人生についても色々考えられるモデルが幅広い年齢で出てきて面白かったです。ウーマンリブの走りをしていて、結婚しても定年まで勤め上げた女性、激務に疲れて専業主婦になった女性、結婚して孫にも恵まれて暮らしている女性、色々なモデルの中で、私自身がどう生きていきたいのか、私にとって何が幸せなのか、を改めて問う機会にもなりました。

幸せの形はやっぱり自分にしかわからない。

 

おやすみなさい。