私は超田舎の出身だ。
私も田舎出だよー!と話しかけてくれて同族バンザイ仲間意識がある人も、大抵話が終わる頃には、それ超田舎じゃん!とヒエラルキーが誕生してしまう。
どれくらい田舎かというと、飼い犬は畑にやってきた猪と戦ってくれて、近くの柿の木の実は猿との取り合い。
たまに狐やリスとも遭遇する。
高校生まで栗は拾うもので、スーパーで買える事は知らなかった。
そんな田舎だ。
そんな田舎者だったのに、なぜか都会のシティボーイと結婚し、東京ライフを送っていると、たまに不思議な気持ちになる。
まだ東京歴が浅いせいもあるだろう。
東京に来た当初は行きたい場所がたくさんあった。水族館に動物園。プラネタリウムにショッピング。パンケーキ。スカイツリー。思いついたところは全部行ってみた。
もちろん楽しかった。
でも段々と休日が満たされなくなってきた。流行りのお店に行っても休日をやりきった感がない。
そうすると段々休日は自然に帰りたくなってきた。山に行きたくなってきたのだ。
海ではなかったのは私の幼少期に海の思い出が皆無だったからだろう。
東京にはたくさんの選択肢がある。エンターテイメントも豊富だ。
でも本当に自分がそれで幸せかどうかは自分で自分に聞いて見ないとわからない。
選択肢が多いからこそ、本当に自分が好きな事を追い求めないと、新幹線のスピードで時間は過ぎ去っていく。
東京に来た事によって、私は真剣に自分の幸せについて考えるようになった。
真剣に考えた結果、私には物欲がほぼない事が分かった。物がないところで育ったせいかもしれない。
その代わり、私が幸せと感じるのは美味しいものを食べている時と、気の合う仲間と楽しく時間を過ごしている時だ。
他にも自分の事をいろいろ考えるようになった。
マンションよりも一軒家に魅力を感じる。
子育てするならとりあえず広いところがいい。
美味しい空気と水の大切さが分かった。
目に文字がたくさん入るとちょっとストレス。
ディズニーランドより本屋さんが楽しい。
ごはんはお家でのんびりゆっくり食べたい。
夕方に入るお風呂が最高。
他にもいろいろ。
しあわせは、必ずしもお金ではないし物でもない。形ある物がそばにあることで満たされるとは限らない。
自分にとっての幸せの可能性は無限大だった。
そして、幸せの旅はまだまだ続く。