くろやんの日記

思考・映画・ごはん・旅・自転車・読書・ライフハックのメモ帳

誰しもがもつ「いつか」に思いを馳せる

 

(ネタバレ注意)

ごはん系マンガが好きで、かつ働いている女子の漫画も好きなのでいつも繰り返し読み返してしまういつかティファニーで朝食を。

 

世代的に主人公は私よりちょっと上のお姉さんということもあり、こんな都会で働くお姉さんになれたらな、と思いながら上京し、働いて、そして現在!といった感じです。

 

主人公自身も田舎から上京した設定で、そういう部分もなんだか重ねてしまうのかもしれません。(とはいえ、主人公の出自は私からみたら都会にカテゴライズしちゃうのだけれど)

 

この作品で一番好きなキャラクターはさち。さっちゃんです。主人公グループの一人で、NYに語学留学したのりちゃんからみた時に、さっちゃんは手に職を持っていてニューヨークでも地に足を生活をしている子なのですが、このさっちゃんとのりちゃんのコントラストとか、主人公たちが色々悩んでいるシーンのコントラストがすごく好きです。

 

多分のりちゃんや主人公たちグループって、学生時代に圧倒的強者グループだったと思うんですよね。で、実際都会でアパレルの仕事してたり、ヨガの先生だったり、結婚して幸せなファミリーライフを送っていたり。のりちゃんも都会的な美人さんとして描かれています。

学生時代から海外アーティストについて話題にしているあたり、めちゃくちゃカッコいい仲良しグループだし、スクールカーストは圧倒的に上だったと思います。

 

一方さっちゃんはそこまでは描かれていないけれど、姉妹との関係やお母さんとのやりとりを見ていると、美容師となった今となってはオシャレで最先端感は出ているけれど、かなり苦労していてちょっと陰があって、多分学校でも言いたいことを言えてなくて、校則にも従順だったのでは?ということを踏まえると、めちゃくちゃスクールカーストが高いグループではなかった気がするんですよね。

でも積み上げてきたものは最後に彼女を裏切らなかった、そんな救いみたいなものがNY生活からは見えてきて、そんな描写がすごく好きです。

 

そしてそんな全然違うさっちゃんにものりちゃんにもそして主人公たちにも、それぞれ登場人物たちには「いつか」があって、みんなの「いつか」として描かれる幸せが本当にそれぞれの幸せの形って感じで、例えスクールカースト強者であっても、その思い描く「いつか」に優劣はなくて、その人なりの「いつか」なのである、ということが自分に沁みてくる感覚があるのがこのマンガがいいなーと思って何度も読み返してしまう所以なのかもしれません。

 

わたしには今どんな「いつか」があるかな、ということにふと思いを馳せ、どんないつかでも考えていていいのだ、と圧倒的肯定感をもらえるマンガだからこそ、前を向きたい時に読み返したくなるのかもしれません。

 

おやすみなさい。