一番最初に、日本最古のミニマリストって誰なんだろう、という疑問をもち、調べて行く中で非常に有望な人物の一人として、鴨長明を上げました。
すごいシンプルな家で琵琶を弾いて暮らしていた。
と学校で習った記憶があります。本当にそれだけだったっけ?
と読み直しをしてみました。
鴨長明が方丈の家に住むまでの住居遍歴(簡易バージョン)
方丈記のもともと文章と、今回読んだちくま学芸文庫の中で浅見先生が解説されていた鴨長明という人物の住居遍歴をざっくりまとめるとこんな感じ。
*神職の家に生まれる
初期値は約2778坪の家。8925平方メートルくらい。野球のグラウンドが大体10000平方メートルらしいので、それよりちょっと狭いくらい。
ちなみに首相官邸は25000平方メートルあるそうです。
火事、竜巻、戦乱、飢饉、大地震を経験してモノを持っていてもしょうがないと思う境地に至る
*30歳で初期の1/10の家にまず引っ越す(ここで妻と子と離縁している模様)
それでも約277.8坪の家。892平方メートル。田んぼ1反分。
*60歳でさらに1/100の家に引っ越す。
ここで2.778坪の家。みんなが知ってる方丈の家。
鴨長明のミニマリストポイントのまとめ
(1)引っ越しが得意(モノの量は最終的に牛車2台分)
当時の牛車は4人乗り。ちょっと詰めれば6人乗れるくらい、とのことだったので、今だと(法律のことは一旦置いておいて)フィット1台分とか、デミオ1台分くらいなのかな、と想像しました。
(当時の日本人小さいし)
引っ越しが得意なのは現代のミニマリストにも当てはまりますね。
ハイエース1台に収まるよ、という人とか、引っ越し業者を使わず段ボールを普通の宅配で送って引っ越し完了、という人とか結構聞きますし。
(2)日頃使う道具もコンパクトな物を選ぶ
諸説あるようですが、「折琴」「継琵琶」などの特殊な単語が登場して来ることから、鴨長明は組み立て式の琴や琵琶をもっていたのではないかと考えられているそうです。
二つとも鴨長明にとって大切な人生を彩る道具だと思いますが、そんな道具でさえも既存の物ではなく、折り畳めるコンパクトなものを選ぶ辺り、さすがミニマリストの先駆け。
現代のミニマリストさんも、結構積極的に登山等のアウトドアで使う折りたたんでコンパクトになる道具を生活に取り入れていますよね。
寝袋だったり、チェアだったり、ダイニングテーブルだったり。
(3)意外と行動派
趣味は山登りとハイキング。年を取っても健脚で、一日30km近く歩いていたらしいです。
現代のミニマリストさんも、私がツイッターでおみかけしている限り、家に何もないせいか、休日は家にずっととどまるというよりどこかにお出かけを積極的にしてるのをみるか、もしくは登山とかアウトドアが趣味な方が多いような印象があります。
(4)ちょっと世捨て人的な一面がある
鴨長明自身、出世レースから割と早く外れたこともあってか、人間社会の流れに対してちょっと斜め上からの目線というか、あんまり興味を示さないようにしたような、流れるままに生きていこうぜ、という姿勢を感じています。
現代のミニマリストさんも、全体的に世間一般の出世レースとか、社会的地位を求めてがんばるとか、競争みたいな空気を匂わせている人、少なくともツイッターやブログではおみかけしません。(私のリアル友達のミニマリストにもそういうタイプはいない)
まとめ
読み直してみたら、思っていた以上に鴨長明はミニマリストでした。
折りたたみ式の琵琶の話が出て来た時、「商売道具に近い物までミニマムにしてたの?」と正直驚きました。
また、思っていたよりも『方丈記』は短い随筆でした。
文章さえもミニマム。。。
訳を書いた人の解説を読むのも面白いので、今度はちくま以外の『方丈記』の解説を読みたいなあ、と思ったりしました。
おやすみなさい。