くろやんの日記

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ディズニー映画『ズートピア』で描かれている多様性が奥深かった

※ネタバレ注意

今日の金曜ロードショーはディズニー映画『ズートピア

結構前に、飛行機の中で鑑賞して、なんだこの映画!本当にディズニー?って思ったのが最初の感想でした。

本当にディズニー?って思った点はこんなところ

・裏社会があまり悪く描かれていない

・動物というクッションは挟んでいるけれど、所謂教育上微妙なラインと呼ばれそうな描写の数々

 

そんな描写がありつつも、大人でも楽しめる映画だなあ、とぼんやり思いました。今回カットシーンはありましたが、改めて、『ズートピア』のおもしろポイントをまとめてみようと思います。

 

▼みんな仲良く・夢を追いかける・逆境に立ち向かう、等のキラキラした描写の裏側に迫るストーリー展開がアツい

舞台は全ての生き物が仲良く暮らしているズートピア。そこで肉食動物よりも力が弱く小さいウサギが史上初の警察官になる夢を追いかける。夢を叶えて警察官になってみても、自信がウサギであるということから様々な困難が……。

表面上のストーリーは、それこそアメリカで史上初の黒人大統領が誕生したぜ!みたいな、逆境を乗り越えてここまできたウサギの主人公ジュディの成功譚って感じなのですが、物語がそこで終わらず、ジュディ自身の内面問題にも迫りました。

それは草食動物であることから差別されたり、いじめられてきた自分自身も肉食動物に対して少なからず差別の気持ちがあったことが露出するシーンでした。

このシーンで大人達はぐっと心をつかまされたんじゃないでしょうか。

「あ、これ、私達が暮らしてる世界そのものじゃない?」って。

 

▼いい人そうな人のウラの顔、の描き方が徹底されている

ウサギの警察官ジュディは、奥さんと子どもがいて、家族思いの優しい夫オッタートンさんの捜索へ。

ただこのオッタートンさん、全員がはだかで参加するヨガに通っていたり、マフィアのボスとつながりがあったり、私達が想像するような善良な市民像を見事にぶちこわしているキャラだなあ、と思いました。

普段、普通の人、と思っていても、人それぞれ色んなつながりがあったり、嗜好は違ったりするんだよ、というメッセージにも受け取れました。

 

 

▼男女の友情は成り立つ、がはっきりした作品

私が子どもの頃、少女雑誌によくこんなアンケートがありました。

『男女の友情って存在すると思う?』

結果は大体成り立つが少数派。その雑誌の集計方法が正しければ、大体3割か4割くらいの小中学生女子が、男女がいたら友情から最後には恋愛になるでしょっていう回答。

そう、男女の友情というのは本当に存在し得るのか?男と女がいたら必ず恋愛に発展するんじゃないのか?というのがちょっと前までの世の中の認識だったように思います。海外はどうか知らないけど、少なくとも日本では。

(今自分の同世代をみていると、そうでもない人の方が多そうに見えるけどね。)

だから男女が一緒に仕事をしていると、男側の奥さんが嫉妬する展開はお決まりだったし、男女でごはんを食べに行く、なんてそれ以外に目的があるの?とでも言われそうなシチュエーション。

けれども、今回のズートピアでは、ニックとジュディがくっつかないで終わりました。仕事に対して、同志のような関係性で物語は幕を閉じたのです。

男女は必ずしも恋愛をするだけの関係性じゃないっていうのを、これまで男女をくっつけつづけてきたディズニー作品で明示されたのって結構メッセージ性が大きいなあ、と感じました。 

 

男女、種族、差別する側、される側、いろんな角度から多様性に対するメッセージが描かれていて、とても奥深い作品だなあ、と感じました。

さらに20年、30年とたった後、このメッセージを自分がどんな風に受け取るようになるのか、そういう時代もあったよね、となるのか、はたまた。未来にもまた楽しめそうです。

 

 

 《おまけ》

▼子どもだけでなく大人へのサービスシーンが多い

ディズニー映画では、他の映画に登場したキャラクターがちらっと登場したりして、ディズニーランドで隠れミッキーを探しだした嬉しさと似たような演出を繰り出しています。今回も要所要所で他の作品に出ていたキャラが出てきて、子どもなんかは、あ! ××のキャラだ! なんて楽しめてしまう。

というサービスシーンが、大人向けにもたくさんありました。往年の名作映画をパロディーにしたようなシーンがたくさんあったんです。

一番分かりやすいのがゴットファーザーでしょうか。キッスのシーンも、胸ポケットに付けている花の色まで再現されていて、芸が細かいなあ、と思いました。

また、私が最近観終わった、BACK TO THE FUTUREの名シーンも再現されていました。まだまだ見つけられていないシーンがあるんじゃないかと、また時間をおいてみてみたくなる!