くろやんの日記

思考・映画・ごはん・旅・自転車・読書・ライフハックのメモ帳

鍋、天ぷら、新米、そして納豆炒飯。誰かとご飯を食べる美味しさを味わった一人暮らし

 

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18歳の春、大学に合格して、スーパーも本屋もない、宅配ピザはCMしか届かない地元の超田舎を出ることが決まった時、それはもうワクワクした。

うちに届く無料の家具カタログのかわいい家具をみながら、どんな部屋にしようか夢を膨らませたし、新しい街にあるスーパーや薬局といったお店をグーグルマップで見てチェックもした。

 

決めた物件は学校まで徒歩3分ほどの物件。これまで幼稚園〜高校まで、どの学校に通うのも遠い上に、公共交通機関なしに通えない状況で通ってきた私にとって、初めての徒歩通学。

 

けれども、住み始めてすぐに一人で食べるご飯がとても寂しく、少しでも人がいる学食を利用するようになった。一人でも、他に人が周りにいる分少しはマシだ。

学年を重ねて友人も増えてくると、宅飲みをするようになった。

学校から近い自分の部屋は、よく会場になった。近い上に、自分なりのこだわりで少しキッチンが広いところに住んでいたのも好都合だった。

 

みんなで食べるごはんの美味しさの味をしめた私は、長座布団を新たに購入したり、たこ焼き機や鉄板も揃えたし、6人用の大きな土鍋も購入した。

 

いろんな『宅飲み』をした。

定番の鍋は何度やったことだろう。近所のスーパーに売っていた鍋のもとは、多分全部制覇した。それぞれやってきた友達が作ってくれることも多かった。

秋田県出身の子がいたときにやった、だまこもち、いわゆる簡易版きりたんぽ。きりたんぽより楽だし、みんなでつつきやすくて、お腹にたまる、素敵な鍋だった。鶏肉がよく合う鍋だった。

誰かが言い出してから、どんな鍋でも油揚げを入れることが定番になった。特にキムチ鍋の時なんか、ピリッとした味がよく染みて美味。

 

春には天ぷらもよくやった。街に出たとはいえ、ちょっと自転車を走らせれば山菜が採れるような山がすぐ近くにある。

たらの芽、よもぎユキノシタ、それから釣り好きなバイト先の人がくれたワカサギ。じゃんじゃん揚げまくって、天ぷらパーティをした。揚げ物は人数がいないと、油がもったいないし、処理も面倒だからね。

ついでにふきのとうも摘んできて、ばっけみそも作った。これがまたビールに合うんだよね。関東方面の都会が実家の友達は、ふきのとうの天ぷらを食べたがったので、一個だけ揚げた。最初、自分しか食べたがらないことを不思議がっていたけれど、一口食べて、苦って言って、ばっけみその方がいい、って言ってたっけ。ふきのとうの天ぷらなんて都会の人しか食べないんじゃないかな。

 

新米の頃には、それぞれ実家でできた新米を持ち寄っての新米パーティもした。新潟、秋田、北海道、岩手、宮城。大体売られている米って混ざっているけど、混ざっていなければどこのでも美味しいんだよね。

そのまま食べるなら、宮城か新潟。ただ、酢飯にするならササニシキがいい、とか、カレーに合うのは北海道の、とか、岩手って結構オールラウンド?とか色々食べ比べしたのって、今思えば超贅沢だったなあ。

 

誰だったか、納豆炒飯の話が出た時、納豆炒飯が美味しくないって言った友達に反旗を翻した別の友人Mちゃん。

なぜかそれも我が家で作って実食することになったんだよね。

結局、作り方を見て、不味いって言ってた友達は、お姉ちゃんがいつも作ってくれていたらしいんだけど、砂糖が入っていたんだって。そりゃちょっとパンチが効き過ぎだよね。ごはんにはしょっぱいものを合わせたいよね。

 

秋、自転車で遠出をした帰りに、道の駅に寄ってきて、りんごやぶどうを箱買いしたっけ。箱はゴムひもで自転車の荷台につけてさ。

大学に到着してから、箱の中身をそれぞれ分け合って、りんごもぶどうもそれぞれバランスよく箱に収めて家に帰って。

それでまた友達呼んでさ、果物パーティしたよね。

今思えば、田舎の道の駅の産直ほど贅沢な場所ってないよね。私はある意味で成城石井よりすごいお店だと思っているよ。

 

春夏秋冬、とにかく色んなものを食べたし、色んな人が遊びにきた。

一人暮らしをしたはずなのに、分かったのは一人で食べるご飯よりもみんなで、家族で食べるご飯が美味しいってことだったな。