ネットサーフィンをしていると、結構な高い割合で
『会社員なんて早くやめた方が良い』
『会社員ほどリスキーなものはない』
という記事とぶち当たる。
ある意味事実もあるし、いや本当にそうかな、と考えさせられることもある。結果、そもそも生きるって何すれば良いのよ?っていう哲学的な問いを自分にする事になる気がする。
1.私は記事から会社員は一つの手段、と捉えている人って意外と少ないのか、という気がつきをもらった。
『会社なんて早くやめた方が良い』『自分で自由にやれば良い』
と書いている人が多い、という一つの事実に最初私は混乱した。
なぜなら、私の周りには『会社員』という存在が身近にいなかったから。
超田舎で生まれ育つと、周りはほぼ自営業の人か、ごくたまにお役所勤めの人がいるかどうかくらい。
田舎だとみんな車通勤だし、ざ・会社勤めの人を見かけるのは東京旅行に行った時、とかそんなもん。とにかくスーツを着た男性というものを見た事がなかった。
大学生になって就活が始まった先輩を見て、最初なんだか感動した記憶がある。あ、ドラマとかでみる働く大人だって。
そんな中で育つと、そもそも働く=会社員になる、という式が頭の中に思い浮かばない。生きて行くだけなら農業、漁業、家業を継ぐ、地元の工務店が人足りないから行く、エトセトラ。
ちなみにこれらの仕事は、もちろん地域差はあるけれど都会で働くよりも時間はかなり自由だ。暗くなる前に仕事は終わる。19時なんて、みんなでご飯食べてる時間。
元資料がぱっと出てこないけれど、日本の残業時間の平均というものを出してみると、意外と高くない。多分それは、都会だけ高くて地方は残業がほぼないからだと思う。
それは働いた実感としてもあるし、夫の帰宅時間を地方に残った友達にすると驚かれるからそうなんだろう。(ただし本当に職種によるけれど)
2.『会社はやめた方がいい』というのは本当か
死ぬくらいなら辞めた方が良い
というのには同感だ。死ぬくらいなら、生きるだけなら他に仕事なんて山ほどある。都市部での生活を必ずしも望まなければ、今地方は人が欲しい。インバウンド需要によって各地の観光地なんかは人手が本当に足りていないようだし。
けれども、その人が本当に会社をやめるべきか、そうでないかはやっぱり人それぞれだと思う。
どんなに自由な仕事があったとしても、どんなに遊べる条件があったとしても。
なんでかって、本来『仕事』って楽しい物だから。
多分大半の人は、学校の文化祭とかもっと遡って小学校の係活動、とか模擬的に働くというコトに対してとても一生懸命だったと思うし、楽しかったと思う。
(もちろんそういうのが嫌いで、そもそも仕事きらいな人もいると思うけれど)
だから、考えなければいけない。
本当に自分が『仕事』が嫌いなのか。
それとも『人間関係』が嫌なのか、『仕事内容』が嫌なのか。
英語他違う言語が出来るなら構わないけれど、現状日本は途中リタイア、にとても厳しい。キャリアを一度切らせると、それなりの持ち駒がないとなかなか大きな組織、というもので戦えなくなる。
会社に属しているからこそ、マンパワーがあるからこそできる仕事、回ってくる仕事というのもあるわけで、そういうのをやりたい人が、自分の力で引っ張って来れるなら悪くないけれど、引っ張って来れない、引っ張ってくる事が向いていない人がやめてしまったらちょっと悲劇だ。
やめるな、とは言えないけれど、『会社に属する』をやめるということが日本でどういうことを意味するのか、ということをしっかり考えて手札を切らないと、うっかりエグゾディアの右腕を捨てちゃった。みたいな事態になりかねない。
3.何かを決めてもらうのが楽な人も入れば、自分で決めたい人もいる
日本人はどっちかっていうと、決めてもらいたい人が多いのかな。
弱っちいな、とか自立してない、とか言う人もいるけれど、本人が幸せで、他人に迷惑をかけずにきちんと納税して社会を支えているならそれはそれで良いと思う。
そう、本人が幸せかどうか
それが結局一番大事なんだよね。死ぬときはなんだかんだ一人だし、神様に何かお告げでもされない限り、その人が生きる道ってその人が自分で考えて、好きなように生きることができるんだし。
決めてもらう事が悪い事でもないし、(ただし決めてもらっておいて文句は言えないと思うからそこはよく考えて欲しいけど)自分で決めているから偉いってことでもない。
遊戯王カードを持って、バトルトーナメントに出るのはもちろん妥当な使い方だけど、好きな昆虫のカードだけ集めまくってウハウハ幸せな気持ちなれるなら、別に勝てなくてもいいし、ひたすら海のカードだけを持ってその中の組み合わせだけでいかに強くなれるかっていう自分でゲームのルールを追加して遊んでも良い。
それでも生きるのって大変だなあ、と思う瞬間もあるけれど、私はごはんがおいしいとすぐに忘れちゃう。単純な人間だなあ。