最近転職のCMがよく目につく。
新しい自分へ、とか自由とか、もっとできるはず、とか何となくかっこ良く見えるし、これまでのしがらみを捨てて飛び出した先にはキラキラした世界が待ってる設計の映像は、今モヤモヤしている多くの人の心に、このままでいいのだろうか、という問いを投げかけるのだろう。
ご多分に漏れず、私も第一印象はかっこいい、と思った。
人は多分、誰しもが潜在的に輝きたいと思っている。たとえ、自分なんか、と思っている人でも。むしろ、自分なんか、と思っている時点で、自分はこんなもんじゃないはずという感情が内包されていることの裏返しだと思う。
私も人に褒められたら嬉しいし、思った以上にできたら自分を褒めたい。それでいて報酬が多かったら嬉しいし、それは少なからず人生にいい影響を与えてくれるとも思う。
けれどもふと思ったのだ。転職、転職、と言って色んなCMが流れているけれど、人材系の会社が流すこのCMはとても限定された「転職」であり、むしろ「転社」に近いのではないかと。
◯転職、英語でなんて言う
日本語の意味合いに困ったら他国の言語で一旦見てみる。日本国民が一番長い時間をかけて勉強しているであろう、英語で見てみることにする。
英語だと、大体、a job change、もしくはChange of occupation
jobは大抵「仕事」を指す。workは作業的な意味合いが強くなるのかな。
語源について調べてもぱっとは出てこず。今度ネイティブに聞いてみようかな。色々見ていたら、旧約聖書に登場するヨブ(Job)と同じ綴りの単語であることが判明。ヨブは神から様々な過酷な試練を与えられながらも信仰を守ったらしいので、過酷なものに耐える、みたいな意味合いもあるのかな。
occupationは職業。医師、弁護士、教師などの専門てきな職に対して使われることが多いみたい。ただ、例文に農業も立派な職業だ、とあるので、幅は広そう。
ここまで来たところで日本の転職がどちらを指すか。多分、a job change だろう。
サラリーマンだった人が医者になる、とか教師になる、とかでも転職した、とは言うけれど、これはレアな転職例になる。
ほとんどの人の「転職した」は、会社から会社に移った、つまり求められる能力の変更というよりはやる内容の変更に近い。
◯当たり前だけど、転職市場とは転社市場
考えてみれば当たり前かもしれない。日本における、いわゆる会社員の数たるや。お金を使って転職してくれる、つまりお金を落とすお客様は、人材会社からみれば基本的にサラリーマンだったり人が欲しい会社であるのだから、会社から会社へ、という流れになる。
言葉って難しい。