※この日記の内容は一部に偏りがあることを了承した上でお読みください。間違ってもけんかを売っている訳ではありません。
酒飲み
というワードをグーグルで検索すると、大抵、
甘い物苦手
辛党
とか出てくる。
確かにそういう人は多数派だと思う。お酒を飲みながらチョコレート食べる文化は日本にあまりないし、ビールを飲みながらケーキやビスケットを頬張る人はほとんどいない。
大酒飲みであるということはあなた辛党ね、と決めつけても大抵の人はそれに当てはまる。そう。大抵の人なのだ。
その大抵の人に当てはまらない人種が日本に存在する。
しかも彼らはある一カ所のエリアに集中して住居を構え、生活を営んでいる。
彼らは酒を飲みながら、砂糖入りのポテトサラダを食らう。酒を飲みながら、砂糖入りの佃煮を食べて、砂糖とみりんの割合が高い肉じゃがを食べる。ビールに砂糖を入れちゃう人もいるし、なんなら日本酒も甘口にしてしまう。
そう、彼らの名前は「秋田県民」
夏は花火大会で人口の倍以上の客をもてなし、冬は家が雪に埋もれ、屋根に取り付けたはしごから出入りをする。そんな過酷な環境の中、大酒飲みは辛党である、という世の中が定めた常識に真っ向から挑んでいく彼らの姿は、もはや尊くも見える。
そんな秋田県に行ってきた。
私は何度か行ったことがあるが、夫は初めての秋田県だ。
すべてのものがとにかく甘い
道の駅で売っている菓子には気をつけろ
地元の生産者の名前入り団子は、もはやアメリカの菓子なみの甘さ
色や形は普段私達が見ているそれと変わりないが、食した瞬間の爆発力は半端ない
散々行く前に注意事項を伝達し、警告までしたのに夫はそれを信じない。
赤飯にさとう?―あんこじゃん(笑)
ポテトサラダにさとう?ーレシピを間違えただけじゃない(笑)
道の駅で売ってる団子に注意?ー道の駅って外の人向けの味で売ってるでしょ(笑)
旅立つ前は一向に信じてもらえない。彼の頭の中は、何年前の話だよ、とそれは大げさすぎる、でいっぱいだ。
しかし、秋田県に入って、その(笑)が崩れるまで、そう時間はかからなかった。
大きめの道の駅に寄って、いよいよ菓子を買ってみる。個包装のまんじゅうとカボチャパイを1つずつ。私はこれで十分だと思ったのだが、彼は見つけてしまった。
バームクーヘンを。
秋田県の名産を染み込ませた、バームクーヘン。
彼はバームクーヘンが好きだ。しかも染み込ませているものも彼が好きな物。
しかし、バームクーヘンはでかい。一個まるまるだ。本当に買うの?本当に買うの?
売り場を探し始める彼。もう止められない。もう知らない。甘くても知らない。
本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの本当に買うの?本当に買うの?
そして彼はついに購入した。
ドライブをしながら、まず購入した個包装のまんじゅうとカボチャパイを食べる。
10秒後、彼の口からはもうこの台詞しか出てこない。
「甘い」
「まだ甘い」
「コーヒーを飲んでも甘い」
「甘い」
「まだ甘い」
「あーまーい」
後に残る甘さ。次にカボチャパイも食べる。
「こんなにカボチャを残さないカボチャパイは初めてだ。砂糖パイじゃん」
散々甘いと行ったあと、ぽつりという。
「バームクーヘンの甘さが想像できてしまった....」
後悔してももう遅い。バームクーヘンはまるまる一個、車に乗っている。これを持ち帰り、食べる運命はもう決まってしまっている。
そんな宿命を背負いながら行ってみた鳥海山。なかなか眺めがいい。今度は登山道具を持ってきて、登山してみても良いね。そのときに、このまんじゅうやカボチャパイがあれば、遭難しても安心だね。バームクーヘン一個で何日間生き延びられるかな。
それに加えて秋田県民は酒に強い人も多い。女性でも日本酒くいくい飲む。
大酒飲みの甘党、と普段は少数派のあなたもここなら仲間はたくさんいる。
そんなこんなの話をした、秋田県の旅。