くろやんの日記

思考・映画・ごはん・旅・自転車・読書・ライフハックのメモ帳

火を以て火を救う

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火事が起きたときに、必ずしも水が有効とは限らない。

 

機会があって、初めて女性専用車両に乗った。

どうしても朝の混み合う時間に、キャリーバックを持って乗らねばならず、通常の車両には乗れそうもないと思い、女性専用車両がある列に並んだ。

 

列の後ろに並んだので、電車が着たときに順序よく乗っていたらいっぱいになったので、私は次の電車に乗ることにして、後ろの女性何人かに順番を譲って、先頭に並びなおした。

 

次の電車がほどなくしてきて、私は電車に乗ると、いつもと違う景色が見えた。

朝なので混んでいることには変わりはない。でも、車両から青空が見えるのだ。

男性と同じ車両に乗ると、人で埋め尽くされて窓の景色なんて一切見えないが、女性しか乗っていないと、窓がよく見えた。

平均身長の問題だった。

 

女性ばかりの車内だと、平均身長より少しだけしか高くないはずの私でも、みんなより頭一つ抜きん出ているような感覚になれた。

 

女性専用車両ができた経緯は様々あったと思う。

女性ばかり優遇されて、と考える人もたくさんいたと思う。

 

昔は、確かに女性にだって失礼な人やなんだこいつ、と思う人もいるのに、どうして女性だけ専用車両ができたのだろうか、と思っていた。

しかも通学する小学生の男子や、障害を持っている方とその補助の方も一緒に乗れるのであれば、ネーミングは他にあったのではないだろうか、とも思っていた。

特に障害を持っている人の中には、ぱっとみただけでは判別ができない方もいる。

最近、間違えて女性専用車両に飛び乗ってしまった人、の対応についても、その女性ありえん!と思った。

 

女性の品格だって怪しい。

 

でも、実際に乗ってみると、女性専用車両が稼働している時間に女性専用車両に乗るのは、働く女性たちだ。

いわゆるいいとこ、で働くがんばる女性たちもたくさんいる。

凜として、まっすぐと立っている女性が多かった。

さらに車両に乗った後も、荷物をもった私をみて、少し避けてくれたり、乗り込むときにもお互いに気遣い合う様子もみられた。

 

平日の日中は、やっぱりマナーの悪いおばちゃんなんかがいたりする。

だから、女性の方が、という論はしない。

男女ともに、男でも女でもない人にも、マナーが悪い人はいる。これは性差ではなく個人の問題だ。

 

でも、女性の場合、朝の時間に乗るのは、ある意味選ばれし人達なのかもしれない。

男女雇用が平等になったとはいえ、管理職の数は少ないし、女性はパート的に電車で乗ってどこかに勤めるような人は男性より少ない。

だからこそ、なんとなく気品というか凛とした雰囲気を感じたのかもしれない。

 

乗ってみたからこそ、思った。

この時間帯の、がんばる女性たちが、一部の不真面目な男性に朝から邪魔されるようなことは、確かに許されない。

 

でもやっぱり、女性専用車両って名前だけは違う名前の方がいいかも、とも思うんだけど。あと10年たったら人口も減ってきて、変わるのかしら。

 

世の中って難しい。