サンタはどこにでもいる。
梅雨明けした夏真っ盛りに、サンタクロースの話になった。
事の発端はAmazonで注文していたバランスボールだった。
届いたバランスボールは段ボール箱に入ったままだった。
私としては、箱を開けるところからドキドキのエンターテイメントが始まるのであり、そのドキドキを奪ってしまうのは申し訳ない気持ちから箱に入れたままだった。
しかし、夫としては箱から開けて欲しかったらしい。
サンタクロースからもらった箱を開けるわくわく感、の話を持ち出したところ、俺のサンタクロースは3歳で消滅したとのこと。
「それで人生楽しいの?」
「いや、楽しくない」
即答だった。
サンタクロースがいると思って生きる方が楽しい。
わくわくする。
「じゃあサンタクロースってなんなの? フィンランドにいるんでしょ」
「ちがうよ! サンタはどこにでもいるんだよ!」
売り言葉に買い言葉をしてしまった。
でもサンタはどこにでもいるよ。
「どこにいるんだよ」
「サンタは何をしてくれる人?」
「……ほしいものをくれる人」
「じゃあ、Amazonがサンタだよ」
言っている自分でもよく分からなくなってきた。
「そうか、佐川もヤマトもサンタであり得るということか。深いな」
というわけで、我が家では、サンタはどこにでもいる。
ということになりました。