高校生の時、修学旅行で関西方面に言った時、自由行動の行き先について、誰が言い出したのか、
「USJは将来カップルで行けばいいんじゃね」
と
「その他寺院は前日、前々日までに色々いくから、昔の文化ではなく今の文化を知れるところが良い」
という意見が上がって、よしもとのお笑いを見に行くことになった。
ちなみにそのときの班員は7人ほどで全員女。
3人以上ならどのように班を作っても良い、というルールで、なんやかんや人を集めたらこの人数になった記憶がある。
これ以上は分かれろ、と言われたものの、その理念に賛成する人が多かった故に、多分班が分かれても一緒に行ったんだろうけれども。
そんなこんなで東北の女子高生7人でよしもとに行った、という思い出は、そういう班が意外と他にいなかったせいもあり、クラス会で少し話題になるくらいには楽しいものとして記憶に残っている。
今振り返れば、高校が私服だったこともあって、7人に修学旅行生感はあまりなかったかな、とは思うものの、言葉が明らかに関西弁ではなかったので、どんな集団に見えていたのだろうかね。
そもそもそういう劇場に行く、という文化がない東北の田舎から出てきた7人。普通に面白くて、楽しかった。やっぱりプロは違う。
ただ、面白かったね、で終われば良いんだけど、それだけで終わらない思い出も一つある。
当日の最後はフットボールアワーさんだった。
前日までなんと東北地方を巡業していたらしいことを最初のしゃべりネタにつっこんできた。
東北巡業、とにかくみんな笑ってくれない。
会場があんなにシーンとしているのは初めて。
でも終わると拍手は盛大。
反応が掴みにくかった。東北は難しいと先輩達が行っていたのは本当。
そして最後にこの一言。
「会場に東北の方、おられます???」
東北の田舎者らしく、私達は固まった。
思わず、お互いに目を合わせる7人。
誰も手を挙げない。
その日、本当にいなかったのか、それとも私達のように、東北人らしく固まったのか、手を上げた人は一人もいなかった。
今では高校時代の良い思い出、かつ東北人的なネタとして関西の方と話すときの私の鉄板ネタになっているんだけどね。
さて、そんな『東北人は笑わない』
ということについて、この年末年始考えさせられる出来事があった。
テレビではお笑い番組がひしめき合う年末年始。
私も例に漏れず、テレビを付けたらやっていたお笑い番組を、そのまま流れで見始めた。全国で有名な漫才の人達を始め、関西圏のみで活躍している方達も多く出た。
大阪で一番ウケている、という漫才コンビが出てきたときだった。
さぞかし面白いのだろうか、という期待の下、テレビに視線を向けた。
漫才が始まって、数秒経った頃。
なぜ、東北人が笑わないのか、ひらめいた。
聞き取れなかったのだ。
多分、東北よりも、圧倒的に早口なんだと思う。
東京に出てきたときでさえ、関東の人はしゃべりが早くて会話についていけないなあ、なんて思ったのに、関西の人のしゃべりは早送りで見ている気分だった。
生で見ればまた違ったんだろうけれども。
テレビでは日本語のはずなのによく聞き取れず、笑いのポイントを聞き逃すという事体が発生した。
その後に見たサンドウィッチマンのネタのゆっくりさたるや。
優しさを感じてしまった。
東北の人は笑わない訳ではない。
多分、聞き取れていないだけなんじゃないだろうか。
東北で売れたい、関西の芸人さんは、多分ゆっくり話せばいいんだと思う。